概要
スタックチャンでサーボを触るようになったので、少し仕組みと消費電流などを検証してみました。
小型サーボとは?
上記のようなサーボになります。9gと書いてある事が多いのですが、これはサーボの重さになります。ですが、、、本当に9gかというともう少し重いことが多かったりもします。

一番右の青いのが9gですが、左から2g・4.7g・4.3g・5g・6g・8gと並んでいます。この下に1.8gなども販売されています。小さいやつは特に重量が曖昧で、ケーブル抜きの重量だったりと実質の重量と商品名がズレていたりします。
9gより大きいものは12gなどもあるのですが、急に1.8kgと違う単位に変わります。このサーボは重さは12gなのですが、トルクが1.8kgf・cmになります。小型サーボ以外は基本的にはトルクでの表記となっており、大きさはバラバラになります。
逆に小型サーボは9gの場合にはほぼ同じ大きさになっており、トルクは製品によってバラバラです。
サーボの種類
サーボには大まかに分けて角度指定ができるサーボと、任意の速度で回転することができるものがあります。
角度指定できるサーボは180度のタイプが多いのですが、ギアに可変抵抗などを組み込み、現在の位置を計測しつつ、中にあるマイコンが指定角度まで移動してくれます。90度ぐらいの狭い範囲のものから270度などの広い範囲まで動くものがあります。そして安いサーボは180度と書いてあっても端まで使えずに160度ぐらいしか動かないものがあったりします。
連続回転サーボや360度サーボと書いてある場合には位置指定はできませんが、回転速度の指定ができます。前進や後進も可能ですのでインホイールモーター的な利用も可能です。
制御方法
制御にはPWM信号を利用するパターンとシリアル通信をするパターンがあります。小型サーボの場合には特殊なサーボを除いてPMW信号を利用しています。

上記はSG90のデータシートですが。50Hz周期で、0.5msから2.4msまでのパルス幅を利用して角度や速度の指定をします。中心の1450か切りの良い1500あたりが中心になります。微妙にサーボによってパルス幅の中心が異なるので注意してください。SG90は1450ですが、1500の方が標準的です。
中型以上のサーボは125Hzや250Hz制御のものもあるようです。
アナログ? デジタル?
サーボの仕様を確認するとアナログサーボ、デジタルサーボなどの表記がある場合があります。これはサーボが信号をアナログ信号として処理をしているか、デジタル信号として処理をしているかの違いであり、使う上で大きな違いはありません。ただし、デジタル処理していたほうが、信号に対する精度は高くなりますので、安いサーボ以外はすべてデジタルサーボになります。
SG90
一番有名な小型サーボになります。このサーボが有名になり、小型サーボといえは9gでこの形というスタンダードになっています。
上記のTower Proが販売元となっています。
上記を輸入している梅本合同会社さんのページなのですが、SG90は非常に偽物が多いです。Amazonで安いものを買った場合にはほぼ偽物と思って大丈夫です。
例えば上記の製品は安いですが、ブランド名がありません。これはブランド名が書いてないのでわかりやすいですが、ブランド名もコピーしている製品もたくさんあります。
見分け方として、上記のようにシールが斜めに貼ってあるものは粗悪品が多いです。
SG90に似た製品
上記のFeetechなどSG90と似たサイズのサーボを販売しています。現在独自ブランド名をつけている会社はもともとサーボを作っていた会社か、SG90の偽物を作っていたが品質が上がったので独自ブランドに移行した会社となります。
裏を返すと、SG90の偽物に見える製品を作っている会社は品質が低いままの可能性がありますので、偽物SG90の利用は注意してください。
ギアの素材
サーボはモーターにギアを組み合わせて動いていますが、モーターの強さ以外にギアの材質がいろいろあります。一般的なものはプラスチックなのですが、カーボンを入れて強化したものや、金属で作ったものがあります。
ギアは負荷をかけているとどんどん欠けてくるものなので、強い素材を使ったほうが長持ちします。ただし、金属ギアの場合にはサイズが大きくなっているものがあるので注意してください。
動作実験
上記のようなサーボテスターや自作プログラムを利用して、動作確認をしてみました。確認したのは実行時の電流になります。
電流測定機材
PPK2
1Aまでの動作ですが、非常に精密に電流測定が可能です。結果的にこれが一番入手性がよいので使いやすいと思います。

上記のように時間解像度が高いです。
IoT Power
個人的には非常に好きな機材なのですが、入手性が極端に悪いです。2Aまで計測できますが、高速で動かすと電圧低下が激しく、電源の応答性が悪いです。

時間解像度は少し落ちるので、スパイクへの反応がいまいちです。ただし電圧も表示されているので、電圧低下で問題がある場所がわかりやすいです。
電流プローブ
さすがに大電流用のプローブではノイズが多くてきれいに測定できませんでした。

上記のようによくわからないです。1A前後が取れる電流プローブであればもう少し結果がよいはずです。
サーボの消費電流パターン
待機電流

上記の20mAちょっとのところにあるベースの部分が待機電流になります。これは動作させなくても常に流れている電流です。この電流があるのでバッテリーなどにサーボを直結していると過放電が発生してしまうので注意しましょう。
スムーズな動作

先程と同じ画像ですが、100mAをちょっと超えるところがスムーズに動作している場合の電流になります。
急激な移動

上記が手動で高速移動した場合の消費電力です。ピークで700mAぐらい出ているのがわかります。これは移動量が多い場合にはモーターがフルパワーになり、瞬間的に電流が流れることになります。
ストール

上記の急激な移動がピークパワーでしが、ストールと呼ばれる手などを使って、サーボが移動できない状態にすると常にピークパワーで動き続けます。上記の800mAを超えて台形が見えている場所がストールしている状態になります。
ストールしている状態だとキャパシタの充電を使い切りますので、電源自体の性能が重要になってきます。搭載しているサーボがすべてストールしても大丈夫な電源を利用するのが理想ですが、なかなか難しいと思います。特にDCDCなどを利用してして、電圧変換をしている場合には定格以上の電流が流れないように注意する必要があります。
軽いひっかかり

これは何個かの要素が混じっていますが、一番下に20mAぐらいの待機電流があります、そして100mA強のところにスムーズに動いているときの電流があり、400mA以上の高さでランダムにスパイクがあります。これはギアが引っかかったときに一時的にストール状態になり、大電流が流れています。
これが原因で大電流からの電圧低下が起こり、制御しているマイコンなどの電源が落ちる場合があります。そのためサーボの電源はマイコンとは別系統にするか、大電流が流れてもよいようにキャパシタなどを利用する必要があります。
サーボのスパイクを減らす方法
ゆっくり動かす

電流を測定しながら、ゆっくり動作するようにすることでスパイクを減らすことができます。上記であればたまにスパイクしていますが、これぐらいであればキャパシタで簡単に防ぐことが可能だと思います。
メタルギアを使う
プラスチックのギアより、メタルギアの方が加工精度がたかいのでギアがひっかかることが少ないです。そのためスパイクが減る効果がでる場合があります。とはいえ、使っているギアの精度に依存しますので、あまり安いものだと効果が薄いかもしれません。
低トルクサーボを使う
実はSG90はかなりトルクが強いサーボになります。類似サーボはもう少しトルクを下げて、低価格化しているものが多いです。
まとめ
何種類かサーボを確保してありますので、機種ごとの消費電流の違いを今後比べてみたいと思います。
コメント