M5Unified入門 その3 M5StickC系/ATOM系

概要

機能一覧

NAMEM5StickCM5StickC
PLUS
ATOM
LITE
ATOM
MATRIX
ATOM
ECHO
ATOM
U
MCUESP32ESP32ESP32ESP32ESP32ESP32
FLASH4MB4MB4MB4MB4MB4MB
PSRAM
BATTERY95mAh120mAh
LCDサイズ0.96インチ1.14インチ
LCD縦160240
LCD横80135
TOUCH
LED11
RGB LED12511
MICADCADCADCADC
SPKBuzzerI2S
BUTTON221111
IMU
PMU
USB CHIPCH552CH552CH552CH552CH552CH552
RTC
IR
バイブ
SD
PortA
(32, 33)

(32, 33)

(26, 32)

(26, 32)

(26, 32)

(26, 32)
PortB
(32, 33)

(32, 33)

(26, 32)

(26, 32)

(26, 32)

(26, 32)
PortC
(32, 33)

(32, 33)

(26, 32)

(26, 32)

(26, 32)

(26, 32)

MCU

S3やC3とついていないボードはすべてESP32で基本性能は変わりません。性能的には画面が小さい機種の方が描画負荷が低いので高速になったりもします。

FLASH

すべて小型のボードは4MBになります。大型のボードは16MBの場合があるので共有するときには注意してください。

PSRAM

小型ボードはPSRAMを搭載していません。例外として日本で発売されていないATOM Displayに付属しているATOM PSRAMがありますが、単品では販売されておらず技適も取得していませんので日本では利用できません。

BATTERY

M5StickCとM5StickC Plusはバッテリーを内蔵しています。

ATOM TailBAT
ATOM用に設計された外付けバッテリで、装着すれば、M5ATOMに直接給電でき、モバイルアプリケーションに使用できます。

ATOMシリーズの場合には内蔵していないのですが、外付けで拡張できる製品もあります。

LCDサイズ/LCD縦/LCD横

M5StickCとM5StickC PlusはLCDを搭載しています。ATOMシリーズはAtomS3のみLCD搭載していますが、別途紹介したいと思います。

M5Stack用 1.14インチ135 x 240 LCDディスプレイユニット
1.14インチのカラーLCD拡張ディスプレイユニットです。ST7789V2ドライバ回路を採用しています。解像度は135x240ピクセル、RGB666ディスプレイ(262,144色)対応です。

Grove経由で外部LCDを接続することもできます。こちらについても別の記事で紹介したいと思います。

TOUCH

タッチディスプレイはすべて搭載していません。

LED/RGB LED

M5StickCシリーズはLEDを、ATOMシリーズはRGB LEDを搭載しています。

MIC

M5StickCとM5StickC Plus、ATOM ECHO、ATOM Uはマイクを内蔵しています。

マイクは外付けで接続することもできますが、基本的には音質はそれほどよくないと思ってください。

SPK

M5StickC Plusはブザーを内蔵していますが、細かい制御ができず音質はあまり良くありません。ATOM ECHOはI2S接続のスピーカーを内蔵していますが、絶対的なサイズが小さいですのであまり大きな音は出せません。

ATOM NS4168搭載 スピーカーキット
NS4168搭載のATOMマスターコントローラに対応したオーディオプレイヤーです。

音質を求める場合にはCore2系か外部スピーカーに接続するのがおすすめです。

BUTTON

M5StickCとM5StickC Plusはボタンが2つあり、さらに電源ボタンも短い押し込みは判定できます。ATOMは画面全体を押し込むことで1つのボタンを利用可能です。

ジョイスティックやボタンはGrove経由で接続は可能です。

IMU

M5StickCとM5StickC Plus、ATOM MATRIXは加速度とジャイロセンサーの利用が可能です。

M5Stack用6軸IMUユニット
3軸重力加速度計と3軸ジャイロスコープを搭載した6軸姿勢センサです。傾きと加速度をリアルタイムに計算できます。16ビットADC、プログラマブルデジタルフィルタとオンチップ温度センサを内蔵したMPU6886を採用しています。

Grove経由での増設も可能です。

PMU

M5StickCとM5StickC Plusは電源管理としてAXP192が搭載されています。これにより細かい充電管理やバッテリーの電圧把握などが可能になりました。ATOMシリーズはバッテリーを搭載していないので、電源管理もありません。

USB CHIP

CH552が使われています。このチップは1500000と高速での書き込みが可能ですが、BASICなどの書き込み速度である921600が利用できない欠点があります。

一方BASICなどの標準は921600なのですが、1500000でも書き込むことが可能ですので、M5Unifiedでバイナリを共通化したときには転送速度を1500000かその半分である750000で書き込むのが汎用的です。

RTC

M5StickCとM5StickC PlusはRTCを内蔵しているので、電源オフでも時刻を保存可能です。

M5Stack用HYM8563搭載 リアルタイムクロック(RTC)ユニット
プログラミングが可能なリアルタイムクロックモジュールです。低消費電力なCMOSリアルタイムクロック/カレンダーチップであるHYM8563を搭載し、I2Cインターフェースを備えています。

GroveでRTCを接続可能ですが、Wi-Fi環境であればNTPを使って時刻取得が可能なのであまり使われていません。

IR

M5StickC系とATOM系はすべて赤外線であるIR送信が可能です。ただし非常に出力は弱いので近い場所にしか届きません。

M5Stack用赤外線送受信ユニット
Arduino (アルドゥイーノ)
¥779(2023/09/22 15:27時点)
M5Stack用赤外線送受信ユニット [U002]
赤外線発信器と受信器を搭載したM5Stack用のユニットです。本製品は赤外線リモコンとして、家電製品やその他のデバイスを操作する用途にお使いいただけます。

IRを送信する場合には、既存のリモコンを受信してコードを調べる必要があるのでIRユニットを持っていると便利です。ただし、このユニットも送信は弱いです。

バイブ

Core2以外で振動バイブを搭載しているボードはありません。

M5Stack用振動モーターユニット
スイッチサイエンス
¥544(2023/09/22 02:13時点)
M5Stack用振動モーターユニット
N20モーターと金属製の偏心ホイールで構成されたM5Stack用の振動モーターユニットです。

上記のユニットで増設することは可能です。

M5StickC バイブレーション HAT
M5StickC/C-Plus用のバイブレーションHATモジュールです。

M5StickCシリーズであればハットを使うことで本体と一体化もできます。

SD

小型のボードなのでSDカードは利用できません。

ATOMIC TFカードキット
M5ATOMをマウントし使用するATOMICシリーズの一つ、TF(MicroSD)カードキットです。容量16GBまでのTFカードに対応します。

ただし、SPI接続のATOMICなどが販売されています。

PortA/PortB/PortC

小型のM5StickCシリーズとATOMシリーズはGroveポートを1つしか搭載していません。ただし、用途は自由ですので、どの色のユニットとも接続可能です。

ただし、複数接続する場合には拡張ポートが必要になり、利用するユニットなどの種類により使うハブの種類が変わります。

M5Stack用Port A I2C拡張ハブユニット(PCA9548AP)
ひとつのI2CHY2.0-4Pインターフェースを最大6チャンネルのI2Cに拡張/接続できる拡張ハブです。各チャンネルをポーリング制御しデバイス内共存させることにより、同一のI2Cアドレスを持つ複数のスレーブ機器をマウントできます。

赤いPortAを複数使いたい場合にはPort A I2C拡張ハブユニットで、こちらは同じ種類のユニットを複数接続可能です。この拡張ハブはセレクタとして動き、接続先ポートを切り替えながら使うイメージとなります。

M5Stack用拡張ハブユニット
スイッチサイエンス
¥700(2023/09/22 06:02時点)
M5Stack用拡張ハブユニット [U006]
Groveポートを三つ備えたM5Stack用の拡張ユニットです。任意のユニットを三つまで追加することが可能です。

同じく赤いPortAのI2C接続で異なる場合アドレスのみ接続する場合には上記の拡張ハブユニットが使えますが、ちょっと条件が難しいのでおすすめはしません。

M5Stack用I/Oハブユニット
M5StackのI2CポートB(黒いポート)を最大6チャンネル拡張できるユニットです。

黒いPortBは上記のI/Oハブユニットを使います。ただし、既存のライブラリが利用できず、すべて自分で管理しないといけないので非常に面倒な製品となります。

青いPortCはハブがありませんので、直接GPIOに接続する必要があります。

機種別の概要

M5StickC

M5StickC--販売終了
ESP32-PICOを搭載したスティック型のM5Stackです。ポータブルで使いやすいオープンソースのIoT開発基板で、プロトタイプを素早く作ることができます。メイン写真は技適取得前の画像、実際はTelec表示があります。

すでに製造中止になっているボードです。BASICなどのCore1系の次に開発されたボードであり、いろいろチャレンジをしてCore2のベースになっている製品です。

バランスが取れた機種でしたが、一部部品の調達が難しくなったようでして後継のM5StickC Plusに入れ替わる形になりました。

M5StickC Plus

M5StickC Plus
M5StickCPlusは、M5StickCを大画面(18.7%拡大)にしたアップグレード製品です。ESP32-PICO-D4を搭載し、BluetoothとWi-Fi通信が可能です。コンパクトなボディに、赤外線、RTC、マイクロフォン、LED、IMU、ボタン、PMICなど、豊富なハードウェアが内蔵されています。また、M...

M5StickCの後継で、画面の大型化とブザーが搭載されたのが特徴です。バッテリー内蔵で小型ボードとなるとM5StickC Plusが第一候補になると思います。

画面サイズはCore系と比べると小さいですので、バッファのメモリサイズが小さくなったり、描画がはやかったりの利点があります。ただし、縦長の画面ですので複数機種対応をしようと思ったときにはCore系とは違う画面構成を準備する必要があります。

ATOM LITE

ATOM Lite
サイズがわずか24x24mmの、M5Stackシリーズ開発モジュールです。ESP32-PICOを搭載し、スマートホームデバイスや、小型のおもちゃへの組み込みに適しています。

ケース付きで一番小さいサイズのボードになります。安価ですので大量にばらまく用途などに便利なボードになります。画面もなく、RGB LEDをサポートしていませんので、M5Unifiedライブラリを利用しなくてもよいのかもしれません。

ATOMS3 Lite
無線通信機能のあるESP32-S3を搭載した24mm角のとても小さな開発モジュールです。8MBフラッシュメモリ、ボタン、RGBLED、赤外線LED、Grove互換インターフェース。

価格的には上位のAtomS3 Liteと同じぐらいですので、Bluetooth Classicを使わない用途であればAtomS3 Liteでもよいのかもしれません。

ATOM MATRIX

ATOM Matrix
サイズがわずか24x24mmの、M5Stackシリーズ開発モジュールです。ESP32-PICOを搭載し、上面に5x5RGBマトリックスLEDを備えています。スマートホームデバイスや、小型のおもちゃへの組み込みに適しています。

RGB LEDが25個搭載しているボードですが、AtomS3という小型LCD搭載ボードが発売されたのであまり優位性がなくなったボードです。

ATOMS3
ESP32-S3コントローラを搭載した小型の開発モジュールです。製品サイズはわずか24x24mmで、さまざまな組み込みスマートデバイスアプリケーションに適しています。8MBフラッシュメモリ、0.85インチのIPS液晶、液晶底のボタン、6軸IMUセンサ(MPU6886)、Grove互換インターフェースなどを備えています。

Bluetooth Classicを使わない用途であればAtomS3でもよいのかもしれません。

ATOM ECHO

ATOM Echo - スマートスピーカー開発キット
ATOMシリーズをベースに設計されたプログラマブルなスマートスピーカーモジュールです。サイズはわずか24x24x17mmです。

ATOM Liteにマイクとスピーカーを搭載したモデルです。非常に小型ですので組み込み安いボードになります。

ATOM NS4168搭載 スピーカーキット
NS4168搭載のATOMマスターコントローラに対応したオーディオプレイヤーです。

音質的にはCore2系や上記の外部スピーカーモデルの方がよいと思います。

ATOM U

ATOM U
M5Stack社のIoT開発キットです。デュアルコア、最大240MHz動作のESP32チップを搭載し、USB-Aコネクタ、デジタルマイク、赤外線エミッタ、RGBLED、Grove互換PORT.Aコネクタを搭載しています。

USB端子に直接接続できるようにしたモデルです。組み込み用途などで大量のばらまく場合に使いやすい形です。ただし、価格差だけ考えるとATOM LiteにUSBケーブルを組み合わせた方が安くはなります。

まとめ

Core系とは画面サイズが違いますので、同一プログラムにしようとしたときに手間になります。とくにATOMに関してはあまりM5Unifiedで使える機能がないです。

続編

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