概要
前回はM5StickC系/ATOM系でしたが、今回はESP32搭載のE-INKと産業・組み込み系になります。
機能一覧
NAME | CORE.INK | M5PAPER | TOUGH | STATION 485 | STATION BAT | STAMP PICO |
---|---|---|---|---|---|---|
MCU | ESP32 | ESP32 | ESP32 | ESP32 | ESP32 | ESP32 |
FLASH | 4MB | 16MB | 16MB | 16MB | 16MB | 4MB |
PSRAM | 8MB | 8MB | ||||
BATTERY | 390mAh | 1150mAh | 18560×2 | |||
LCDサイズ | 2.4 インチ | 4.7 インチ | 2 インチ | 1.14 インチ | 1.14 インチ | |
LCD縦 | 200 | 960 | 240 | 135 | 135 | |
LCD横 | 200 | 540 | 320 | 240 | 240 | |
TOUCH | ○ | ○ | ||||
LED | 1 | |||||
RGB LED | 7 | 7 | 1 | |||
MIC | ADC | |||||
SPK | Buzzer | I2S | ||||
BUTTON | 4 | 3 | 0 | 3 | 3 | 1 |
IMU | ○ | ○ | ○ | |||
PMU | ○ | ○ | ○ | |||
USB CHIP | CP2104 | CP2104 | CH9102 | CH9102 | CH9102 | [None] |
RTC | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
IR | ||||||
バイブ | ||||||
SD | ○ | ○ | ||||
PortA | △ (32, 33) | ○ (25, 32) | ○ (32, 33) | ○ (32, 33) | ○ (32, 33) | ✕ (32, 33) |
PortB | △ (32, 33) | ○ (26, 36) | ○ (26, 36) | ○ (25, 35) (26, 36) | ○ (25, 35) (26, 36) | ✕ (32, 33) |
PortC | △ (32, 33) | ○ (18, 19) | ○ (14, 13) | ○ (14, 13) (17, 16) | ○ (14, 13) (17, 16) | ✕ (32, 33) |
MCU
すべてESP32となりますので基本性能は一緒です。M5PAPERは画面サイズが大きく、E-INK搭載なので描画時間がかかるので、処理が遅くなりがちです。
FLASH
CORE.INKとSTAMP PICOは小型ボードですのでフラッシュが4MBです。それ以外の機種は標準的な16MBになります。
PSRAM
画面が大きいM5PAPERと、Core2の産業向けであるTOUGHはPSRAMを搭載しています。それ以外の機種は搭載していないので注意してください。特にSTATIONは搭載していそうな形ですが、PSRAMに使うGPIOを他の用途に割り当てているように思えます。
BATTERY
E-INKのCORE.INKとM5PAPER、そして産業用の18560電池を搭載したSTATION BATはバッテリー内蔵です。TOUGHとSTATION 485は産業用で常時通電している場所での動作を想定しているので、劣化する可能性があるバッテリーは搭載していません。
LCDサイズ/LCD縦/LCD横
TOUGHはCore2と同じサイズです。STATION 485とSTATION BATはM5StickC Plusと同じ画面仕様になっていますが、横向きに搭載されています。
E-INK系はサイズが特殊なのと、描画もモノクロで特殊処理が必要になるので注意して使う必要があります。また、頻繁な更新をするとすぐにE-INKが壊れるので毎秒更新などは避けてください。
TOUCH
TOUGHはCore2と同じくタッチパネル搭載ですが、ボタン用のエリアがありませんので注意してください。M5PAPERもタッチパネルがありますが、画面更新に時間がかかるので有効に使うのは難しいかもしれません。
LED/RGB LED
CORE.INKのみ緑LEDが搭載されています。STATION 485とSTATION BAT、STAMP PICOはRGB LEDを搭載しています。
MIC
すべてのボードで内蔵していません。
SPK
CORE.INKにブザーが搭載されていますが、音質は悪いです。TOUGHはCore2と同じスピーカーが搭載されていますが、ケースの中に密閉されているのでCore2よりは音が悪いと思われます。
BUTTON
TOUGHはボタンがありません。タッチパネル搭載機ですがCore2にあったボタン用エリアがなくなっているので、画面上のエリアにて自分でボタン処理をする必要があります。
E-INK搭載のCORE.INKとM5PAPERは上下に動くのと、押し込みがあるマルチファンクションボタンが採用されていますので、若干操作感が異なります。
IMU
CORE.INKとTOUGH、STATION BATは加速度、ジャイロセンサーのIMUを搭載しています。
PMU
TOUGHとSTATION 485、STATION BATには電源管理のAXP192が搭載されています。E-INKのCORE.INKとM5PAPERに関しては電源管理が特殊で、スリープしたときの消費電力を最小にする回路設計になっています。
上記を参考にして、電源管理をまずは把握する必要があります。
USB CHIP
STAMP PICOのみUSB接続が出来ませんので注意してください。

上記などのダウンローダーキットを利用して書き込みを行う必要があります。この書き込み機は他のボードでも利用可能ですので、一つもっていると便利かもしれません。
RTC
STAMP PICO以外のボードはすべてRTCを内蔵しているので、時刻を内蔵バッテリーで保存することが可能です。
IR/バイブ
すべての機種で利用することができません。Grove経由などで増設することは可能です。
SD
M5PAPERとTOUGHのみSDカードが利用可能です。
PortA/PortB/PortC
STAMP PICOはデフォルトではポートがありません。自分ではんだ付けをする必要があり、横に出っ張るのでATOM LITEを利用するか、自作基板にSTAMP PICOをはんだ付けしてから、自前でGroveポートを設置するのがおすすめです。
CORE.INKは小型ボードなので、どんな用途にも利用できるポートが1個だけあります。
M5PAPERとTOUGHはPortA、PortB、PortCが個別に1個ある使いやすい構成です。
STATION 485とSTATION BATはPortA、PortB、PortCが個別に2個の全部で6個ある特殊なボードです。たくさんのユニットを接続しやすい作りになっています。
機種別の概要
CORE.INK

小型で使いやすいボードなのですが、若干小さいです。E-INKなので夜間でも光らない利点があり、スマートホーム的な用途には適しています。反面バッテリーを利用した運用はバッテリー容量もあり、思ったより長時間動かすのは難しいかもしれません。
E-INKは電源を供給していると、スリープしないのに注意してください。また、正規のスリープではなく、リセットなどで電源オフにすると画面に表示している内容が薄くなります。
M5PAPER

大型のE-INKでタッチパネル搭載と使いやすいボードですが、結構な値段がします。用途的には省電力系に使いたくなりますが、スリープ中に画面タッチが使えないので、常時給電をして状態を表示したり、タッチパネルでの操作をする用途が適しています。
TOUGH

あまり個人で利用しているケースはみませんが、タッチパネル搭載で簡易防水なので野外や工場などでの設置に適していると思います。
物理ボタンがなく、タッチパネルのボタンエリアもないのでボタン処理は独自に実装する必要があります。
STATION 485

RS-485からの給電に対応したボードです。水がかからない環境では物理ボタンを搭載したほうが操作性は高いと思います。
STATION BAT

18650電池が利用できるボードです。

付属なしが基本ですが、スイッチサイエンスでPSE対応の電池をセットにした製品もあります。日本国内では安全な18650電池の入手が困難であり、安い電池は安全性に問題があるので、なるべくなら他のボードをおすすめします。
STAMP PICO

切手サイズの組み込み用ボードになります。

書き込み用のダウンローダーが付属したセットもあります。

5個セットで安くなっているモデルもあります。

ただし、上記のStamp S3が発売されたことであまり優位性が無くなりました。Bluetooth Classicを使わない場合にはESP32 S3の方が性能が高い事が多く、価格差が少ないためあまりおすすめできません。
とはいえ、Bluetooth Classicを使う場合にはATOM LITEも同じような価格帯で、USB接続が最初からできるので競合する製品となります。
まとめ
ちょっと組み合わせが強引ですが、なるべく少ない回数で紹介ページを終わらせるためです。次回はC3とS3のボードを紹介したいと思います。
コメント