概要
WCH社のCH32Vなどに書き込むときにはWCH-LinkEを使う必要があります。しかしながら似たようなWCH-Linkもあるので違いを調べてみました。
WCH-LinkEとは?
上記が手持ちのバリエーションになります。左上がWCH-Link、右上がそれのクローン。左下がWCH-LinkEで右下がそれのクローンになります。
基本的には上記のようにびろーんとケーブルを伸ばして書き込みをする必要があります。ただ純正品はすべてUSB Aタイプなのでちょっと使いにくいです。手元だとUSB延長ケーブルを使っていますが、若干不安定になる場合があります。
書き込み機を一体化した開発ボードもあります。こちらの方が便利なのですが、すべての開発ボードでは販売されていません。そしてLEDとボタンは自分で結線する必要があるので、びろーんとケーブルは出てしまう感じにはなります。
WCH-LinkとWCH-LinkEのハードウエアの違い
WCH-LinkはCH549搭載
WCH-LinkはCH549が使われており、その上に書き込み用のファームウエアが転送されておりSWDに対応した書き込み機になっています。
WCH-LinkEはCH32V305搭載
WCH-LinkはCH32V305が使われており、その上に書き込み用のファームウエアが転送されておりSWDとJTAG、独自拡張されたWCHチップに対応した書き込み機になっています。
対応機種
WCH-Link | WCH-LinkE | |
---|---|---|
CH32V10x | ◯ | ◯ |
CH32V20x | ◯ | ◯ |
CH32V30x | ◯ | ◯ |
CH32V003 | ✕ | ◯ |
CH32X035 | ✕ | ◯ |
CH32L10x | ✕ | ◯ |
SWD | ◯ | ◯ |
JTAG | ✕ | ◯ |
上記のようにCH32V103などのSTM32を意識したチップはWCH-Linkでも大丈夫です。CH32V003やUSB PDに対応した比較的新しい製品はWCH-LinkEを使う必要があります。
この他にWCH-LinkEを無線化したWCH-LinkWもありますが、技適の関係で日本では利用できませんので紹介しません。あとはWCH-DAPLinkというCH32Vに接続できない純粋なDAPLinkもありますが、おすすめしません。
WCH-Linkの選び方
安心の純正WCH-LinkE
秋月さんでも購入できます。ただ開発ボードをAliExpressなどで購入するときにセットの物が安かったりもします。
Type-CコネクタのWCH-LinkE互換品
Type-Cを選択する場合には純正品以外から選ぶ必要があります。ケース入りWCH-LinkEは発見することができませんでしたが、上記での書き込み動作確認はしました。かならずCH32V305が搭載されていることを確認してください。多くのものはCH549搭載のWCH-Linkになります。また、このWCH-LinkEクローンはなぜかピン配置が異なりますので注意してください。。。
あとは74thさんも互換品を販売しています。
Type-CコネクタのWCH-Link互換品
ケース付きがよくて、更にCH32V203などの開発であればCH549搭載のWCH-Linkでも利用できます。
まとめ
WCH-Linkでも使い道はあります。チップの価格バランスを考えるとCH32V203が結構優秀だと思います。USB PDを使いたい場合にはWCH-LinkEが必要になりそうですね。
そしてWCH社の開発ボードはSWD接続のための専用端子がありません。つまり接続が面倒なので一度接続すると外したくなくなります。そのためWCH-Linkを3個、WCH-LinkEを7個所有しています。使い回すことも可能ですが、ある程度開発ボードと同じ個数を保有していたほうが便利だと思います。。。
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