パソコンでの自動計測について調べる

概要

最近マルチメーターとかの自動計測について調べています。なかなか計測結果をパソコンに取り込める機材って少ないですし、高いんですよね。

パソコンとの接続方法

USB

さいきんはこのパターンが増えてきていますが、まだまだ少ないです。USBケーブルで接続するだけですが、USBシリアルとして接続している場合と、独自形式のパターンがあります。

RS-232C

まだまだ計測機材だと多いです。とくにちょっと高い機材のエントリーモデルはシリアル接続ですね。もともとRS-232Cだったのを、USBシリアルケーブルに変更したモデルとかも増えています。

フォトカプラ

中身的にはシリアル通信ですが、光を使って通信をしています。電気的に絶縁をするためであり、ノイズとかの影響が減ります。専用ケーブルが必要なのがちょっと難点ですね。

LAN(RJ45)

ハイエンドの機材は最近LANを接続していることが多いです。

Wi-Fi

実は少ないです。搭載している場合でもUSBタイプのWi-Fiアダプタを接続しているってパターンが多いです。内部的にはLinuxとかが内部で動いている場合にはLANと同じ動きをしているだけになります。

Bluetooth

これが非常に増えてきています。とくに中華系ローエンドはBluetoothのみで、有線での接続ができないものが多いです。そしてこの手のは技適とかFCCは取得していないので、日本では使えません。

GPIB

計測機材とパソコンを接続する専用のインターフェースです。接続用のケーブルも非常に高いですし、GPIBを搭載している最近の機材はLANとかUSBにも対応していることがほとんどです。

パソコンとの通信方法

純正アプリ(独自プロトコル)

オシロスコープとかマルチメーターとかは基本的に純正アプリが提供されており、それを使って接続をします。反面中華機材はアプリのダウンロードが面倒だったり、変な場所に置いてあったりします。ソフトの使い勝手も悪いものがありますが、専用アプリなので仕方なく使うことになります。

独自解析汎用アプリ(独自プロトコル)

純正アプリが使いにくいので、プロトコルを分析して汎用的なアプリを使う方法があります。以下の2つのアプリが有名で、このどちらかに対応している機材を購入したほうがあとあと便利かもしれません。

sigrok(PulseView)

上記に対応機種一覧がありますが、もともとはロジックアナライザのアプリになります。ただし、オシロスコープやマルチメーターにも対応しています。どちらかというと欧米で人気の製品が多いアプリとなります。

Ts Digital Multi Meter Viewer

マルチメーター用のアプリになります。日本人作者なので、HIOKIなどの日本メーカーにも強いです。PulseViewはログを取ることが中心でしたが、Ts Digital Multi Meter Viewerは現在値のグラフをきれいに表示することにも注力しています。

VISA(SCPI)

最近はVISAという標準仕様があり、GPIBやシリアル、USB、LANなど複数のインターフェースがあっても共通のプロトコルで通信できるドライバがあります。裏側のプロトコルは共通なのでシリアルで接続していた制御を、LANに切り替えたとしても接続先を書き換えるだけで動かすことができます。

中身はSCPIと呼ばれるテキストでコマンドを呼び出すプロトコルが使われています。中身的には非常に単純なプロトコルで「MEASure:VOLTage:AC?」とテキストで送信すると、AC電圧を文字列で返却してくれます。送信する文字列は機材によって違うのですが、ある程度の共通性があります。

とはいってもSCPI対応と書きつつ、SCPIの仕様を公開していない機材もあったりとよく調べてから購入しないとだめみたいな感じでした。

まとめ

SCPIは非常にシンプルなプロトコルなので使いやすいです。Pythonとかでかんたんに呼び出せるライブラリもあり、非常に使いやすいです。

反面かんたんにグラフ化してくれるような便利なツールはありません。LabVIEWとかExcel VBAとかを使って、自分で定期取得してグラフを描くみたいな使い方になります。実はSCPIは共通化されているようで、コマンド部分が微妙に異なります。自由に実装できるので使いやすいプロトコルなのですが、汎用アプリが対応するのは結構面倒なようです。。。

趣味で利用するような中華機材はのきなみBluetooth対応なので使えません。少し割高で古い製品をわざわざ選択する必要があったりします。

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