概要
SLogic社のロジックアナライザ、CKLinkデバッガー、DAP-Link、USBシリアルの4in1デバイスであるSLogic Combo 8を購入してみましたので紹介します。
2023年発売なので結構古いのですが、似たような製品は販売されておりません。製品的にはよくできていますが、SLogic社のボードをデバッグする用途以外ではあまりメリットがないかもしれません。
SLogic Combo 8


上記の製品をTaobao経由で購入しました。ケーブルセットの高いほうが本体93.88元+送料で2,500円ぐらいでした。AliExpressよりはまとめて送付しているのでちょっと安かったです。
Amazonでも製品はありましたが、中国からの直送のわりに高いのでAliExpressで買うのが無難そうです。
機能一覧
上記にWikiがあり、情報がまとまっていました。
ロジックアナライザ

本体にはボタンがついていて、押すことでLEDの色がかわります。青がロジックアナライザになります。

ピンアサインは上記で8ピンのロジックアナライザとして利用可能です。
OS | 2CH | 4CH | 8CH |
---|---|---|---|
Windows | 80M | 40M | 20M |
Linux | 80M | 80M | 40M |
macOS | 利用不可 | 利用不可 | 利用不可 |
サンプリングレートはOSによって異なります。Windowsだと160Mb/sまでしか利用できないらしく、上限が低いです。そしてmacOSには対応していません。

PulseViewが動くのですが、なんとカスタムビルド版です。2023年から更新されていないので、すこし古いバージョンですね。

そしてデモボードも利用できない、専用アプリになっています。既存のPulseViewと排他インストールなので注意してください。Sipeed版を別フォルダにインストールしたあとにショートカットを自分で作成。通常版を標準フォルダにインストールし直すことで両方使えるのは確認しました。

そして、GPL v3ライセンスだけれどソースコードの提供はしないとのストロングスタイルです。いろいろライセンス的にも問題があるのと、80Mまでと比較的速度が遅いのでおすすめはしません。
24Mまでであれば比較的安いロジックアナライザがありますしね。
CKLink

黄色はCKLinkというJTAGデバッガのようです。

一般的にはJTAGは10ピンぐらいがよく使われますが、20MまでのUARTが使えるため12ピンになっています。ただし、Sipeed社のボード以外ではあまり使わないので出番は少ないはずです。

ちなみにJTAG専用のボードは500円ちょっとと安いのでSLogic Combo 8の価格メリットはあまりありません。
DAPLink

緑はDAPLinkです。

ピンアサインはCKLinkと同じものになります。こちらは汎用的なモードとして使いやすいですが、DAPLinkも比較的安い製品が多いのと、手元にあるボードにプログラムを転送すれば動くものもよくあるのでそこまでコストパフォマンスが高いわけでもありません。
USBシリアル

赤がUSBシリアルのモードです。

上記のようにUARTが4つあります。
速度上限 | |
---|---|
UART0 | 20M |
UART1 | 20M |
UART2 | 1M |
UART3 | 1M |
シリアルポートが4つで、最初の2つがハードウエアで動いていて20M、残り2つがソフトウエアで動いていて1Mで利用できます。ドライバが必要ないUSB-CDCで動いていたので使いやすいです。VID=359F、PID=3101で認識されていました。
そしてUSBシリアルではFTDIのFT232HLが12M上限、WCHでも15M上限となり20Mまで対応しているものは非常に珍しいです。
まとめ
20MでUART通信したい場合には非常におすすめです。ただ、実際のところ1M以下で利用することが多いので、かなり特殊な用途になると思います。
その他の用途もSLogic Combo 8であるメリットはあまりないので、個人的にはあまりおすすめはしません。ただDAPLinkとUSBシリアルだけでもあると便利なので持ち歩きようには小さくて、質感もよいのでおすすめです。
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