概要
現状PicoScopeの3405Dをメインに使っていたのですが、8ビット解像度以外も触ってみたかったので16ビット対応の5243Aを購入してみました。
5243A
100MHzの2チャンネル、16ビット対応モデルになります。
PicoScopeは1桁目がシリーズ番号で2000シリーズから6000シリーズ、そして9000シリーズまであります。2000はエントリー機で3000シリーズあたりがスタンダード機となります。2桁目はチャンネル数でこれは2なので2チャンネルになります。3405Dは4チャンネルモデルでしたが、私の使い方だと2チャンネルでも十分だと思っています。3桁目は不明で4桁目が周波数を表しています。最後のアルファベットが世代を表していて、最新世代はDですがこれはAなので初代のモデルになります。スペック的にはメモリ長が若干少ないモデルになります。あとプローブとかも若干古い型が添付されていました。
現行品を新品で購入すると1,915ドルもします。

スペック的には100MHzで2チャンネルあれば大抵は問題ないと思います。これで足りない場合には個人だと購入できないランクのオシロスコープが必要になるかな?

Aなので少し古いケースですね。プローブもTA132という150MHz対応のものが入っていました。3405Dは本体100MHzでプローブも100MHz対応のTA375だったのでこのへんがシリーズ差な気がします。
解像度の違い(原寸の場合)
8ビット

とあるUARTの波形です。少しスパイクがありますね。上記の波形の設定のまま8ビットから分解能だけ変更しています。
12ビット

フラットな部分の線がガビガビしなくなりました。
14ビット

あまり変わらない?
15ビット

拡大しないと違いがわかりません。
16ビット

ちなみにこのオシロスコープは16ビットにすると100MHzではなく60MHzあたりまでのスペックに落ちます。
拡大してみる
右側の立ち上がり途中にあったスパイクを拡大してみます。
8ビット

流石にガタガタしていますね。サンプリングレートは1GS/sで最高値です。
12ビット

きれいになりました。サンプリングレートは500MS/sで半分に落ちました。
14ビット

滑らかになりました。サンプリングレートは125MS/sで元の8分の1に落ちました。
15ビット

差がわからない。。。サンプリングレートは125MS/sで元の8分の1のままです。
16ビット

滑らかになっているような、なっていないような。サンプリングレートが落ちた影響がでかいです。サンプリングレートは62.5MS/sで元の16分の1に落ちました。
まとめ
あまり厳密なデータをオシロスコープで計測していないので微妙な結果になりました。サンプリングする時間を固定にしたので、分解能を触るとサンプリングレートが落ちてしまっています。データ量が増えるので、時間軸の分解能と電圧の分解能のどちらを取るかのバランスがでてきます。
これまでの主流は8ビット機でしたが、RIGOLだと上記のような12ビット機が主力になりつつあります。
適当な使い方でも8ビットと12ビットの差はわかりやすいですが、それ以上の分解能になるともう少しちゃんと測定できる知識と環境がないと厳しいかもしれません。
そしてUARTやI2Cみたいな信号を見るだけであれば20MHzの8ビット機とかでも十分なんですよね。
コメント
picoscope 3205D使ってます。16bit機だと、FFT解析のダイナミックレンジとかY軸方向の性能よくなるんでしょうかね。
その違いが知りたかったです。
https://www.youtube.com/watch?v=lWQMH4Y5EMY
PicoScope 5000 FFT Example – 8/12/16 Bits
少し古いですが、ビット数を変更してのFFTサンプル動画が上記にありました
8bitと12bitの差は結構大きいですが、16bitだとそこまで差はないようです
価格的にはRIGOLとかのほうが魅力的ですが、PicoScopeの使いやすさも捨てがたい、、、