概要
M5Stackの外部電源入力まわりが混沌としているので、実測してみました。外部端子から電圧を変えてみて、どの電圧帯で動作するのかを調べました。
回路図
公開されていないので、よくわかりません。ただUSBからの電圧は逆流防止のダイオードが入っているようです。Groveの5Vとピンヘッダの5Vは直結されているようです。
スケッチ例
#include <M5Atom.h> // http://librarymanager/All#M5Atom https://github.com/m5stack/M5Atom #include <FastLED.h> // http://librarymanager/All#FastLED https://github.com/FastLED/FastLED void setup() { // 初期化 M5.begin(true, false, true); // (Serial, I2C, NeoPixel) delay(100); // LED(0-24) for (int i = 0; i < 25; i++) { M5.dis.drawpix(i, CRGB::White); } } void loop() { Serial.print("ATOM "); Serial.println(millis()); delay(1000); }
こんなスケッチを使っていますが、実際にはUSB接続すると計測できないので、LEDが白でちゃんと光っているかを動作の基準にしました。
測定機材
- USB 安定化電源 ZK-DP3D
- テスター
USBの電源は1Vから30Vまで出力できる便利な機材です。ESP32だと安全のために200mA程度の電流制限を入れて使っています。無線を使う場合はもう少し電流流しても大丈夫ですね。
テスターはそのへんにあった適当なのを使っています。なので精度はそこまで高くないと思います。
測定方法
入力する端子により、以下の2種類を測定しました。
5V入力
ATOM | 電源 | テスター |
5V | プラス | |
3.3V | プラス | |
GND | マイナス | マイナス |
5Vに電圧を入れて、3.3Vから何ボルト出ているかを計測しています。LEDの色が黄色くなるか点滅したら終了です。
3.3V入力
ATOM | 電源 | テスター |
5V | プラス | |
3.3V | プラス | |
GND | マイナス | マイナス |
同じように3.3Vから入力して、5Vを計測しています。
結果
最後のまとめを見れば基本的に生データを見る必要がありませんが、生データも載せておきます。
ATOM Lite
5V IN(V) | 3.3V OUT(V) |
5.4 | 3.43 |
5.3 | 3.42 |
5.2 | 3.42 |
5.1 | 3.42 |
5 | 3.42 |
4.9 | 3.41 |
4.8 | 3.41 |
4.7 | 3.41 |
4.6 | 3.41 |
4.5 | 3.41 |
4.4 | 3.41 |
4.3 | 3.41 |
4.2 | 3.4 |
4.1 | 3.4 |
4 | 3.4 |
3.9 | 3.4 |
3.8 | 3.4 |
3.7 | 3.4 |
3.6 | 3.39 |
3.5 | 3.39 |
3.4 | 3.32 |
3.3 | 3.22 |
3.2 | 3.12 |
3.1 | 3.02 |
3 | 2.92 |
2.9 | 2.83 |
2.8 | 2.73 |
2.7 | 2.63 |
2.6 | 2.53 |
2.5 | 2.43 |
5V入力からだとDCDCで3.3Vを作っているようで、バカみたいに高い電圧が3.3Vから出てくることはありませんでした。
5.4V入力をするとLEDが点滅をするので5.3Vまでの入力で使ったほうが良さそうです。下が予想外で結構低くてもLEDが光ってくれました。2.5Vでも黄色っぽい光で光っていたのでもう少し下げても大丈夫かもしれません。
ただしESP32自体が3Vから3.6Vが推奨なので、あまり低すぎる電圧はよくありません。また、無線を使うと3Vないと安定しないと思います。
3.3V IN(V) | 5V OUT(V) |
3.5 | 2.93 |
3.4 | 3.33 |
3.3 | 3.23 |
3.2 | 3.13 |
3.1 | 3.04 |
3 | 2.44 |
3.3V端子からの場合は3.5Vを入力すると、5V出力の電圧が下がりました。DCDCの性能的に3.4Vぐらいまでで使ったほうが良さそうです。下は3VぐらいでLEDが黄色くなりました。徐々に下げていくと大丈夫ですが、3.3V端子からの入力の場合には電源ONのときに立ち上がらなくなっていきます。
ここまでの結果をみると3.3V電源でも5Vから入れたほうが良さそうです。。。
ATOM Matrix
こちらは全データは取っておらず、上限値と下限値のみ調べています。
5V IN(V) | 3.3V OUT(V) |
5.6 | 3.4 |
2.7 | 2.6 |
5V端子に5.6Vを入力するとLEDが光りました。LiteよりLEDが多いのでちょっと特性が違いますね。2.7Vを入力するとLEDが黄色くなりました。
3.3V端子はLiteとほぼ変わらない数値でした。
ATOM Echo
5V IN(V) | 3.3V OUT(V) |
5.3 | 3.38 |
2.5 | 2.43 |
ATOM EchoもLiteと同じような傾向です。LEDが同じ1個ですしね。3.3V端子はLiteとほぼ変わらない数値でした。
まとめ
3.3V端子からの電源入力はおすすめしません。電圧が低くても5Vから入力したほうが良さそうです。
ATOM Lite | ATOM Matrix | ATOM Echo | |
最高電圧 | 5.3V | 5.5V | 5.2V |
最低電圧 | 2.6V | 2.8V | 2.6V |
5V端子からの場合には、Echoに合わせると5.2Vまでしか許容されません。USB給電でも少し高めのモバイルバッテリーとかあるので不安ですね。ちなみにM5StickVは5.5V以上の電圧をGrove端子に出力する場合があるらしく、ATOMを接続するとLEDが点滅します。。。
1.7Vの電池3本で5.1V、エネループとかで1.3Vの電池4本で5.2Vぐらいが許容範囲だと思います。下はMatrixが2.8Vまで動きましたが、無線を使う場合には3V以上ないと安定しないと思います。
コメント
[…] M5Stack ATOMシリーズの外部電源を調べた https://lang-ship.com/blog/work/m5stack-atom-in/#toc12 […]