Grove端子(HY2.0-4P、PH2.0-4P)と便利アイテム

概要

Grove端子系の情報も前回書いてから古くなってきたので、まとめ直しました。

前回のまとめ

端子そのものについては前回に詳しくまとめています。今回はかんたんなまとめと便利アイテムをメインに紹介したいと思います。

Grove端子とは?

Seeed社が開発した端子の名称で、4ピンの端子を利用してマイコンとセンサなどを接続するための規格になります。GNDとVCCと2本までの信号線を使ってはんだ付けをする必要がなく接続が可能なものになります。

利用しているコネクタはHY2.0で、4ピン以外にもたくさんありますがGroveは4ピンを採用しています。

Groveケーブルの種類

上記が実際のケーブルですが、Seeed社のオリジナルケーブルは一番左側で黄、白、赤、黒の順になります。真ん中がM5Stack社の互換ケーブルで白、黄、赤、黒になります。ケーブルの色は違いますが同じ用に利用可能です。

Grove端子をジャンパケーブル接続した場合

Grove端子で利用されているのはHY2.0というコネクタで、ピッチが2.0ミリです。通常のブレッドボードなどは2.54ミリですので、少しだけ小さいコネクタになります。そのため通常のジャンパケーブルを接続することができません。

そのためSeeed社よりGrove端子の反対側がジャンパメスケーブルになっているものが販売されています。

同じくオスのケーブルもあります。

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似たケーブルとしてサーボ用もあります。こちらは3ピンですのでサーボ以外では使いにくいと思うので注意してください。

この辺のケーブルはスイッチサイエンスさんで「Grove ケーブル」あたりで検索して購入するのがおすすめです。Amazonだとたまに送料が高いものが混じっています。

ちなみに3本ぐらいまでであれば、普通のジャンパケーブルをGroveケーブルに直接刺すことが可能です。ただし端子がちょっと弱くなる気がするのであまりおすすめはしません。丸形のジャンパケーブルであれば4本無理に刺すことも可能かもしれません。

ちょっとわかりにくいですが、上記のように接続することも可能です。

M5Stack社の場合にはブレークアウトケーブルは発売しておらず、上記のような変換基板(A099)が最近発売されました。

こんな感じでストレートで結線してあります。

Groveコネクタから4ピンヘッダになっていますね。

Grove端子を拡張する場合

単純分岐(I2Cなどで複数種類のセンサをつなぎたい)

I2Cの場合には単純に分岐することで、I2Cアドレスが重複しない限り複数のデバイスを接続することができます。

上記がSeeed社のI2Cハブです。なぜか4ポートより、6ポート版の方が安いです。これは4ポート版だけが価格改定で値上がりしたからみたいです。基板のサイズは同じなので6ポート版のほうがお得感がありますね。

M5Stack用拡張ハブユニット
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M5Stack社の場合には上記の拡張ハブユニットがあります。Groveの4ポートを購入するのであれば同じような価格などでこちらのケース入りのほうがスッキリすると思います。

こちらも日本未発売ですが、ケーブルを延長するような形のコネクタもあります。

こんな感じでGroveのオスが上にあります。

左右にケーブルを接続して、上は直接ユニットに接続するような構成になります。

この角度だとコネクタにケーブルで配線してあるのがわかると思います。結構無理して作っていますね。ちなみにこのコネクタは普通に使うんじゃなくって、分解して改造用に使っている人もいますね。

I2Cセレクタ(同じI2Cデバイスを接続)

単純に分岐した場合には同じI2Cアドレスのデバイスを接続することができません。つまり同じセンサなどを複数接続しようとした場合I2Cアドレスが重複してしまい、利用できなくなってしまいます。

上記のユニットを使うと同じI2Cデバイスを同時に利用することができるようになります。

上記で使い方を解説してありますが、M5StackのPort Aは赤色のI2C専用である事が多いです。Port A用の拡張ハブユニットなのでI2Cの拡張ハブとなります。

これは実際にはハブではなく、8チャンネルのセレクタとして動作しています。I2Cを8コネクタに増設していますが、利用する場合にどのコネクタかを選択してから通信をする形となります。なので時間をずらして8台のI2Cデバイスにアクセスすることは可能ですが、本当の意味での同時接続はできませんのでご注意ください。

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ちなみにSeeed社からも発売されていますがちょっと高いのであまりおすすめしません。

I/Oエクステンダ(I2CでGPIOを操作したい)

I2C以外のGPIOを操作したい場合にはI/Oエクステンダを利用します。

PbHUB

M5StackのPort BはGPIOなので、PaHUBと対応するようにPbHUBと呼ばれています。

これはArduinoなどで使われているATmega328が搭載されており、I2C経由でGroveポートを6つ拡張しています。若干低速ですが速度をそれほど必要としない用途では便利なユニットとなります。

I/Oエクステンダ

上記の記事で紹介してあります。こちらもI2C経由で8つのGPIOを操作できるユニットになります。こちらは汎用的なI2CでのI/Oエクステンダを利用して拡張してあります。Grove端子じゃないので、ユニット以外を接続する場合にはこちらのほうが使いやすいと思います。

似たコネクタ Qwiic

Grove端子に似たコネクタとして最近SparkFunよりQwiicが出てきています。これはGroveよりさらに小さいコネクタで、電圧3.3VのI2C専用ケーブルになります。

I2C専用と割り切ってあるので基本的にはI2Cアドレスが重複しない限り接続するだけで動作させることもできます。とはいえ、日本だとあまりSparkFunの製品は出回っていないので使う機会は少ないと思います。

まとめ

M5Stack Core2などはPort AのI2CしかGrove端子が無くなったので、GPIO系のユニットが使いにくくなりました。M5Stack Core2 for AWSであればGrove端子がたくさんあるんですけれどね。

あとM5StickCを使う場合には使えるGPIOが少ないのでGrove側の32、33を使いたくなることがあるのでブレイクアウト系のコネクタやケーブルをもっていると便利だと思います。

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