概要
前回出版をするときに構築した写真撮影環境で最低限必要だなと思ったことをまとめてみました。基板やボードなどの小物撮影をメインに考えた環境になります。
カメラ
一眼レフが無難です。モノクロ紙面の雑誌とかであればiPhoneでも問題ないと思いますが、やはり一眼レフでRAW画像で撮影したほうが無難です。カメラ自体はフルサイズである必要はなく、ある程度古いものでもかまわないと思います。
ただし、レンズが重要なので適当なものを買うとレンズ選びに苦労をします。キャノンかニコン、ソニーあたりで適当に選んでからレンズと合わせて予算に合うかを検討してください。
私はキャノンの古いデジタル一眼レフを中古で購入しました。ちょっと古すぎる機種のためWi-Fiを内蔵していません。もう少し新しい機種が良かったのですが、当時はWi-Fiない世代はガツンと安くなっていたのと、ほしかった18-135mmレンズセットが安かったのでこれに決めました。
レンズ
小物を撮影するときにはマクロレンズが必要です。マクロレンズにもいろいろ種類があるので等倍撮影が可能な1:1と書いてあるものです。普通のレンズが0.2倍サイズで、マクロレンズが0.5倍から1倍ぐらいのサイズで撮影できるレンズになります。
私が購入したのは上記の古い型になります。本体が古いデジタル一眼だったので、レンズも古い型の中古にしました。
レンズ選びが難しくて、キャノンのミラーレスのMマウントだとあまりマクロレンズがありません。中古で購入する場合にはソニーが比較的安いです。レンズを決めてから本体を購入するのもいいのかもしれません。
メーカーはカメラ本体と同じか、タムロンかシグマあたりがおすすめでそれ以外のレンズメーカーは情報が少ないのでおすすめしません。
焦点距離ですが、物撮りですのでズームができるレンズである必要はありません。単焦点の70mm前後が撮影しやすいと思います。私は90mmの単焦点レンズをフルサイズでないASP-Cの本体で撮影しているので、小物は腰高ぐらいの三脚でA4用紙に収まるぐらいのサイズであれば問題なく撮影が可能です。
A3サイズぐらいになると手持ちぐらいの高さで撮影する必要があるぐらいの焦点距離となります。短いものよりは、多少長い方が扱いやすいとは思います。
三脚
安いものでも構いません。
ライト
ソフトボックスを2つ用意するのが無難です。基本は真上からの俯瞰撮影になるはずですので、左右からソフトボックスでライトアップします。
ちなみに玉がLED照明のもありますが、安いやつとちらつくので注意してください。
撮影小物
背景
出版では基本的に背景は白になります。小物の場合にはコピー用紙とかを汚れたら交換ぐらいのほうが使いやすかったです。普段はA4でいいのですがA3サイズあるといろいろ構成が取りやすいです。
もう少し大きいものを撮影する場合には布状の白背景があると好ましいです。
クリーニングブラシ
どんなものでもいいのですが、液晶画面などは指紋をマイクロファイバーで拭いた後にブラシなどでホコリを取り除く必要があります。
無水アルコール
汚れを取るために利用。他のものでもいいのですが、なにかあると便利です。
バッテリー
上記のようにバッテリーのかわりにUSBで電源を供給するケーブルがあります。本体に直接供給できるのであれば問題ないのですが、バッテリーが比較的すぐになくなるはずですので予備を用意しておくか、この手の残量を意識しなくてもいいUSB電源ケーブルが便利です。
とはいえ、この手のケーブルでも結構電流が流れるので、高めの電源かモバイルバッテリーに接続しないと動かなかったりします。
リモコン
本体のシャッターを使うとブレるので、リモコンを使うのが無難です。無線のもありますが、電源をいれるたびに設定変更が必要な機種もあったりして、有線の方が電池切れもなく無難だと思います。
固定用小物
撮影するときにM5Stackのようにマグネットが入っているものは並べると反発します。。。そのため両面テープでもなんでもいいのですが固定用の小物があると便利です。
SDカード
FlashAirなども使ってみましたがRAW画像をがんがん撮影すると転送速度的に厳しいです。安めのSDカードを複数枚準備したほうが使いやすかったです。
ちなみにKIOXIAさんには同姓同名の人がいるのでなるべく使うようにしています。KIOXIAの田中正幸さんと知り合いの方がいましたらご連絡ください!
撮影方法
基本的には真上からの俯瞰撮影になります。三脚を利用して、左右からライトを使うことでなるべく影を減らします。
部屋のライトは消す

たとえば、上記の画面にあるテカリは部屋の照明が原因です。カーテンも閉めて真っ暗な部屋で両脇のライトのみで撮影したほうが安定した写真が出来上がります。

あと、ちゃんと撮影物は固定したほうがいいです。とくにケーブルとかは結構ひっぱられるので無造作な写真が必要な場合以外には両面テープとかで固定がこのましいです。
ちなみに左右からのライトだけだと上記のように少し影が残ります。奥からとかもう1灯増やすことで若干低減しますが、そこまで変わらないです。
撮影はRAW
とにかくJpegは印刷物では使いません。無圧縮か、可逆圧縮のみを利用しましょう。モードはオートでもいいですが、最終的に全部の写真を同じぐらいの色の分布になるように調整をします。
ちなみに撮影は絞り優先で行いました。絞りをいろいろ変えながら撮影をすると、ピントがあう範囲が変わっていきます。ある程度絞って、ピントの合う範囲を広げたほうがいい気がします。上記の写真だとM5Stackの本体とユニットの高さが違いますので、少し絞らないと両方にピントが合わない写真になってしまいます。
現像設定
基本背景が同じ白のはずなので、色温度を固定してから、背景の白が同じぐらいの分布になるように明るさ調整をします。
回転などもここで行ったほうがいいですが、基本あとで回転させるよりはちゃんと撮影時にまっすぐ撮影しましょう。後工程で修正するほうが面倒なので、撮影で横着するのはやめましょう。
現像後の出力はPNGがおすすめですが、キャノンの純正アプリだと出力できないのでTIFFなどの無圧縮にしてから、PNGに一括変換をしました。データ的にはTIFFでもいいのですが、サイズ的に邪魔なのでPNGがおすすめです。
この辺の納品フォーマットは編集する人と事前に打ち合わせをしておきましょう。あとで傾きはなおすと言われていても、そのまま使われてしまうことがあったりしますので、極力撮影時に希望のデータにしておきましょう!
色温度?
個人の環境でちゃんとキャリブレーションした画面を持っている人はいないと思いますので、全部の写真データを共通の色温度、明るさで統一だけしておけばあとは編集でいいように調整してくれるはずです。。。
納品
なんでもいいと思いますが、写真の容量が大きいのでDropboxとかよりはGoogle Driveなどの方が課金していなくても使える容量が多いかもしれません。この辺も編集をする人と確認をしておくとよいと思います。
まとめ
とりあえず白背景であればiPhoneでもなんとかなることはあります。中途半端な環境だとiPhoneで仮撮影した写真のほうがきれいだったりもします。
とりあえずそこそこのマクロレンズだけあれば、カメラ本体はそれほど高性能でなくてもかまわないと思います。全部新品で揃えると安いのでもカメラ本体で5万、レンズで5万ちょっとかかると思います。
私はいろいろ余計なものも買っていますのでもろもろで予算10万円で、カメラが2.5万のレンズが1万ぐらいで購入していました。
コメント