Analog Discovery 2的万能計測ツール調査(2022年3月)

概要

Analog Discovery Proが発売されたので、Analog Discovery 2的な万能計測ツールを調べてみました。

万能計測ツールとは?

秋月電子さんのカテゴリ名になります。オシロスコープ的なアナログ計測と、ロジックアナライザー的なデジタル計測の両方ができるものです。それ以外にも信号生成や電源などの付加機能がついているものになります。

今回のブログでは万能計測ツールの他に、ミックスドシグナルオシロスコープ(Mixed Signal Oscilloscope, MSO)と呼ばれるロジックアナライザー機能付きのオシロスコープも調べています。

Digilent Inc社

Analog Discovery 2が有名ですが、より上位のProを販売した会社になります。万能機材を目指していますので、特定の機能を重視しているのではなく、まんべんなく使いやすいツールを目指しています。

Analog Discovery 2

Digilent Analog Discovery 2 100-MSPS USB Oscilloscope, Logic Analyzer and Variable Power Supply
Digilent
¥120,000(2025/11/16 23:00時点)
100MSPS USBオシロスコープ、ロジックアナライザ、可変電源、および多機能計測器

Analog Discovery 2(秋月電子)

Amazonは商品画像の変わりに設置していますが、基本的にどの製品も秋月電子さんが一番安いと思いますので価格には注意してください。一番最後にスペックと現時点での価格をまとめた表があります。

アナログ2チャンネルに16チャンネルのデジタル入力があるモデルです。全般的にそれなりの性能なのですが学生やホビー用途にはちょうどいいです。据え置きのオシロスコープはちょっと大きいので、小さい機材にまとまっているのはかなり便利とのことです。

とりあえずこの値段が払えるのであれば、かなり便利で損はしない機材となっています。とはいえ、安くはないですよね。。。

直販で学割はありますが送料を考えると秋月電子さんで購入したのと大差ないです。ただし、FPGAボードとセットで買うと200ドルオフのキャンペーン中ですのでArty A7などのFPGA評価ボードと一緒に購入すると直販の方が安くなります。

Analog Discovery Pro ADP3250

・Analog Discovery Pro ADP3250(秋月電子)

Analog Discovery 2の上位機種です。学生向けから少しスペックアップして、業務や研究にも使えるスペックになっています。アナログが4チャンネルになったADP3450もありますが一気に値段があがります。

Analog Devices

Analog Discovery 2の内部チップはAnalog Devicesで作っているようでして、Analog DevicesでもAnalog Discovery 2的な機材が発売されています。

ADALM2000

・ADALM2000(秋月電子)

んー、ハードウエアの性能はAnalog Discovery 2とほぼ変わらないのですが、ソフトウエアが残念です。値段的にはかなり魅力的なのですが、あのアプリだとちょっとつらいかもしれません。せめてPulseViewが使えたら良かったのですが。。。

Saleae(サレア) LLC社

ロジックアナライザーの老舗になります。特徴としてはロジックアナライザー重視なのですが、アナログも同時に測定が可能です。ツール的にはロジックアナライザーの信号をアナログで確かめる的な用途になります。

Logic 8

Logic 8(ブラック)- Saleae 8チャンネルロジックアナライザ
Saleae
¥102,113(2025/11/17 01:40時点)
8点デジタル/アナログ入力(マルチユース)

・Logic 8(秋月電子)

日本では秋月電子が正規代理店のため、Amazonでは高いです。アナログをたまに見て、基本はデジタル回路って人には非常に使いやすいツールになっています。

Saleae Discounts

ここの特徴として学生とホビーユース、スタートアップには割引をしています。条件とモデルによりますが結構安くなりますので直販も検討してみてください。

PicoScope社

USB接続のオシロスコープの老舗です。個人向けではなく、業務向けモデルばかりなのですがエントリーモデルは10万円以下もありますので紹介したいと思います。

PicoScope 2205A MSO

PicoScope 2205A MSO(秋月電子)

MSOとついているモデルはデジタル入力も可能です。MSOでは一番下の25MHzモデルになりますがソフトウエアは全モデル共通なので、最上位と同じものが利用可能です。とはいえ、ちょっとスペック的にはものたりないエントリーモデルになります。

PicoScope 2206B MSO

秋月電子さんでは取り扱いがない50MHzモデルですが、下から2番目のMSOになります。このランクからスペック的にも通常のオシロスコープと変わらないメモリ長などになります。

・PicoScope 2208A MSO(秋月電子)

秋月電子さんだとさらに上の100MHzモデルを取り扱っています。

まとめ

項目Analog Discovery 2Analog Discovery Pro ADP3250ADALM2000Logic 8PicoScope 2205A MSOPicoScope 2206B MSO
秋月 or Amazon 価格¥45,000¥86,600¥19,700¥48,500¥44,820¥66,556
通常価格$399$200$479$539$719
学割価格$279$239
アナログch2 ch2 ch2 ch8 ch2 ch2 ch
アナログ帯域30 MHz55 MHz25 MHz1 MHz25 MHz50 MHz
アナログサンプリング100 MS/s100 MS/s100 MS/s10 MS/s500 MS/s1 GS/s
デジタルch16 ch16 ch16 ch8 ch16 ch16 ch
デジタルサンプリング100 MS/s125 MS/s100 MS/s100 MS/s100 MS/s100 MS/s
パターンジェネレーター16 ch16 ch16 ch1 ch1 ch
電圧計2 ch2 ch2 ch
電源2 ch
0.5 V ~ 5 V
-0.5 V ~ -5 V
2 ch
1.2V〜3.3V
2 ch
0 V ~ 5 V
-0 V ~ -5 V

アナログとデジタルをまんべんなく使う場合にはAnalog Discovery 2、デジタル中心ではLogic 8、アナログ中心ではPicoScope 2206B MSOが個人的にはオススメです。

今回10万円以下の機材ですので、デジタル中心であれば本当はもう少し上位機種か普通のロジックアナライザーがいいはずです。そして入門向けであればもっと安い機材もあります。

万能ツールではなくて、オシロスコープやロジックアナライザーなどの方が高性能なのですが場所を取るのと、実際のところ多くの場合I2Cの信号を調べたりするのでそれほど高価な機材は必要ないことが多いです。。。

のちほどオシロスコープも調査していますので、合わせて参考にしてみてください。

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