概要
いろいろコテ先を使って試していますがどうも迷路になってきたので、いろいろなコテ先を集めて自分になにが合うのかを一気に比べてみました。みなさんもコテ先をいろいろ変えて楽しんでみてください。
これまで遍歴

一番最初に使っていたハンダゴテは900Mという形のものでした。
安い温度調整可能なハンダゴテはたいていこの900M型が使われています。コテ先はいろいろ調べたのですが、決定的な情報がなくD型を適当にとその当時の主流だった3Cを買ってみました。ちなみにハンダゴテは安いものでも、コテ先だけはちゃんとしたものに変更したほうが使いやすいと思います。
ただ3Cは使い方によるのですが、スルーホール中心じゃないと太すぎます。D型も小型のチップ型にはあまり適していないかもしれません。このへんは好みなんですが、かなり選定が難しいのと白光さんのコテ先ってそこそこ高いので大量に買っての試験がしにくいです。
たとえば3Cだと662円ですね。
ヨドバシカメラさんがおすすめで570円です。つまり5種類買うだけでも結構費用がかかっています。
その後は白光さんのFX600にハンダゴテを買い替えたので、別のコテ先を購入しています。その後T12型のハンダゴテを追加してさらにコテ先を。。。
実験で利用したコテ先
上記のコテ先を選びました。17種類はいって、そこそこ安かったものです。実際にはこんなに種類はいらないのですが、一番多い種類のを選んでみました。ただし値段が安いのでコテ先としては微妙な品質です。

こんな感じで袋に入って届きました。

並べてみました。17本は結構多いですね。ちなみにコテ先は似たようなものがあり、このままだと非常に区別がつきにくいです。
耐熱インクでマーキングしようと思ったのですが、細かい文字が読めないので断念しました。今回は実際には利用しないコテ先なのでテプラでマーキングをすることにしました。テプラは熱に弱いので実際に利用するとだめになってしまうので注意してください。

ちなみに入っているコテ先です。。。あれなんかおかしいです。ISとかSBが曲がっています。曲がっているのは基本Jとつくはずなので、この名前は参考程度にして自分で調べ直しました。またコテ先は白光のが基準ですが、互換品は独自の進化を遂げているのでいろいろな名称があったりもしますので注意してください。

こんな感じでラベリングしています。4mmのテプラで3センチぐらいの長さになるように文字を連打しています。

こんな感じで手持ちで撮影しています。実際にテプラをつけている状態でハンダゴテを熱するとたぶん溶けちゃうと思うので絶対に貼り付けないでください。
テストではチップ抵抗などでよく使われている0603(1608M)を例に紹介しています。1.6mm x 0.8mmのサイズになりますので、短い方向の0.8mmが対象物の大きさになります。上記の2Cは断面が2mmの大きさになるので、オーバーサイズになります。0805(2012M)や1206(3216M)だとちょうどいいサイズ感なのがわかります。

スルーホールは2.54mmピッチのピンヘッダを例にしています。

下にある台は上記のはんだ付け治具になります。プロトタイプ基板やブレッドボードを使っているとハンダを垂らすと穴が塞がってしまうのでこの手の治具は非常に便利ですね。
コテ先の機能
最初にコテ先の種類を選定するために知っておいたほうがいい機能を紹介したいと思います。
蓄熱性
はんだこての熱をためるためには、なるべく大きな金属を利用したほうが好ましいです。細いコテ先だとすぐに温度が下がってしまいますので、大型のものをはんだ付けする場合にはなるべく太いものを利用します。
接触面積
コテ先に蓄積した熱を対象物に移すためには、より多くの接触面積が必要です。つまり先が細すぎると点で接するので、あまり熱の移動がおこりません。なるべく面で接触するコテ先のほうが好ましいです。
融通性
コテ先の角度などを調整することで、接触面積を変化することができるかです。基本的に調整が難しいものが多いです。
コテ先の紹介
I系(細くて尖っている)
I(基本は修正用途)

先が細く尖っているI型は通常用途には適していません。蓄熱性が悪いので、ブリッジした場所の修正や狭い場所のはんだ付けに利用されています。1本あると助かる場合がありますが、常用するのは危険です。

0603(1608M)に対してもかなり先が細いのがわかります。これだと熱がちゃんと伝われないので、はんだ付けに時間がかかると思います。

2.54mmピッチのスルーホールでもコテ先が細すぎます。ただし、2連になっている場合などは細い方がつけやすい場合があります。
J(特殊用途)

Jとついた場合には先が曲がっているコテ先となります。通常は利用せずにちょっと特殊な修正用とかだと思います。

この用途には適していないと思います。

これも普通のコテ先が使える場合にはわざわざ使うことはないですね。
JL(特殊用途)

こちらもJでLがついている場合には少し長い意味があります。これはたんなる細めのJだと思います。

こちらの方が先が細いのでまだ届かない場所では使いやすいかもしれません。

こんな感じでIで届かない場所に使うJですね。
B系(鉛筆型)
B(初期装備だが使いにくい)

基本的にこのコテ先が最初についている事が多いです。しかしながら実際には使うところはなく、おすすめしないコテ先です。

このコテ先は先が丸いので、点で接触します。そのため非常に熱の伝わりが悪いです。

スルーホールの場合にはまだ対象の部品に接触することで面積を稼げますが、基本的にはおすすめしないコテ先です。
SB(用途不明)

Sがつくと短いタイプになります。これは何に使うのかわかりません。

先はBなので点での接触ですね。

どんなときに使うのかわからないコテ先です。
C系(円柱の先が斜めにカットされている)
太さがいろいろありますが、昔から好まれているコテ先になります。
1C(細すぎてIとあまり変わらない)

若干先が斜めにカットされているのがわかると思います。ただし、このサイズだとあまりカットの意味がないので1Cはおすすめしません。

サイズ的にはピッタリなのですが、カットされている面を対象物に接触させる必要があり、このサイズだとちょっと見にくいです。

こちらもちょっと細すぎる感じですね。
1.5C(小型の限界?)

今回のセットには入っていませんでしたが、1Cだと小さすぎて2Cだと大きすぎるって場合には1.5Cがあります。ちなみにこちらは1.5CFとFがついています。Fがついているのは斜めの断面の面だけにはんだがつくタイプです。通常のはもう少し根本まではんだが濡れる感じのはずです。
2C(小型部品でのおすすめ)

このぐらいのサイズになると斜めのカットがちゃんと分かると思います。
上記のようなUSB PDで接続するような新しめのハンダゴテには2Cが標準設定されている場合が多いです。綿密には2Cだとちょっと途中の円柱が細すぎて蓄熱性が悪いので、それを改良した2BCです。
これはBがついているので鉛筆型なのですが、先がCと同じく斜めにカットされています。先の形状が同じですが、途中の細くなっているところを円錐形にして金属部分を増やして蓄熱性を向上されています。

ちなみに普通に使うとこのようにはみ出ます。

こんな感じとかでカットされている面を角度調整して部品との接触面積を調整可能です。

本来はこのようにカットした面を部品にぴったりと付けることで接触面積を最大化します。
3C(昔の主流)

大型のスルーホール中心の昔はこの3Cがよく使われていたと思います。

がんばれば使えますが、流石に太すぎます。

スルーホールは安定していますが、2.54mmピッチだとちょっと大きい気もします。2列になっている場所とか狭い場所は厳しいです。大型のトランジスタとかはこれぐらいの熱容量があったほうがつけやすいとは思いますが、小型部品中心の人はちょっと大きいですね。
4C(大型部品用)

かなり大きいです。コネクタとか相手側の熱容量が大きい部品用となります。

さすがにチップ部品は厳しいです。

2.54mmピッチだと隣に届いちゃいますね。
D系(マイナスドライバー)
昔は使っていた人がいましたが、好みがでるので最近はあまり使っている人は少ないのでは?
0.8D(小さすぎてIと変わらない)

先がマイナスドライバーのように平らになっているのですが、このサイズだとほとんどわかりません。これは白光純正のコテ先でもわかりにくいので、あまり細いDはおすすめしません。

ちゃんと平らになっている面が部品に当たっているか不安になるサイズです。ただし幅は0.8mm同士なのでピッタリです。

こちらもほぼBと変わらないと思います。
1.2D(まだ細い)

これぐらいからやっとマイナスドライバーっぽい先がわかるようになります。

たぶん0603(1608M)にはこれぐらいのコテ先がぴったりかもしれません。ただ個人的にはちょっと細いかな。。。

スルーホールにもなんとか使える細さです。たぶんこれぐらいが細めが好きな人の限界だと思います。
1.6D(わりと使いやすい)

1.6Dだと扱いやすいサイズになります。

若干オーバーサイズですが、扱いやすいサイズです。ただ細いのが好きな人は1.2Dでもよいのかもしれません。

スルーホールにもちょうどいいです。
2.4D(かつてのD系主力)

かつて3Cか2.4Dあたりがよく使われていました。今となってはちょっと太いですね。

完全なオーバーサイズです。そしてD型は細かい調整ができないんですよね。

2.54mmピッチでも使えますが、ちょっと大きめ。
3.2D(大型部品向け)

さらに大きくなりました。

大型部品向けなのでチップには無理です。

こちらも隣に干渉しそうですね。
K系(ナイフ型)
最近よく使われるようになってきた形です。2BC型よりK型の方が若い人には人気かもしれません。
K(万能タイプ)

ナイフ形と呼ばれているのですが、先はそんなに尖っておらずものは切れません。

Kが最近好まれているのは先が尖っているので、立てて使うと細かいところにも使いやすいです。

雑にはんだ付けしてもよいところは、複数のピンを同時に温めながら連続してはんだ付けも可能です。

もちろん立てればピンポイントにも使えます。
KF(厚刃タイプ)

Kのバリエーションで大きさはほとんど同じですが、厚刃になっています。

蓄熱性が高いので、大型コネクタなどにも使いやすい形だと思います。

使い方はKと同じです。

どちらかというとスルーホールの方が蓄熱性が高いので得意だと思います。
KU(小型のK)

小型のKです。

Kよりも細かい場所向けですが、その分蓄熱性が悪いです。

Kより小さいので扱いはかんたんです。

小さいので複数同時は厳しいかな。

立てて使うのは小回りがいいです。
白光のコテ先一覧
はんだこての種類によって使えるコテ先の型番は違うので注意してください。コテ先の選び方も書いてあるので参考になります。ただし、サイズ感は白光さんのページだとまったくわからないので、この記事を作りました。
T12の一覧
上記にT12互換のコテ先一覧がありました。

最近はAliExpressだとこれぐらいのバリエーションから選ぶ事が多いと思います。

分類だと上記でCが一番多いですね。

3本セットだと上記の組み合わせでした。このへんが最近よく使われている組み合わせだと思います。Kか小型のKUかは好みで、Kがデフォルトで設定されている場合も多いようにも思えます。

5本だとJL02と普通のKが増えました。

10本だとこんな感じです。
まとめ
普通に使うのならは2Cか2BCがおすすめです。D型は好みなのでCが合わない人はDにチャレンジしてもよいと思います。ただし、今後の主流はKかもしれません。
あとコテ先はハンダゴテの種類によって違います。900Mは本来昔のステーションタイプのハンダゴテ用のコテ先で現在はハンダゴテ本体は販売していません。
白光さんといえばFX600が有名で、私もこれを使っています。このコテ先はT18シリーズになります。
最近の人気ですと温度がわかるPX-280ですが、こちらはPX-28RTシリーズとハンダゴテによってまったく違うコテ先になります。そしてシリーズごとに微妙に先の名前が違うので注意してください。
おすすめはこの記事をみて、自分にあっていそうなものを何種類か選んでヨドバシカメラさんとかで取寄をすることです。比較的時間はかからないので、何種類か試してみるのがおすすめです!
基本的には万能なコテ先はないので、対象物によってある程度使い分ける必要があります。選択肢として2C、K、Iの3種類ぐらいは持っていてもいいのではとは思いますが、自分にあったコテ先を見つめてみてください。











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コメント
とても参考になりました!
若者ではないけどK型使ってみようかなと思いました。