概要
Analog Discovery Proが発売されたので、Analog Discovery 2的な万能計測ツールを調べてみました。
万能計測ツールとは?
秋月電子さんのカテゴリ名になります。オシロスコープ的なアナログ計測と、ロジックアナライザー的なデジタル計測の両方ができるものです。それ以外にも信号生成や電源などの付加機能がついているものになります。
今回のブログでは万能計測ツールの他に、ミックスドシグナルオシロスコープ(Mixed Signal Oscilloscope, MSO)と呼ばれるロジックアナライザー機能付きのオシロスコープも調べています。
Digilent Inc社
Analog Discovery 2が有名ですが、より上位のProを販売した会社になります。万能機材を目指していますので、特定の機能を重視しているのではなく、まんべんなく使いやすいツールを目指しています。
Analog Discovery 2
・Analog Discovery 2(秋月電子)
Amazonは商品画像の変わりに設置していますが、基本的にどの製品も秋月電子さんが一番安いと思いますので価格には注意してください。一番最後にスペックと現時点での価格をまとめた表があります。
アナログ2チャンネルに16チャンネルのデジタル入力があるモデルです。全般的にそれなりの性能なのですが学生やホビー用途にはちょうどいいです。据え置きのオシロスコープはちょっと大きいので、小さい機材にまとまっているのはかなり便利とのことです。
とりあえずこの値段が払えるのであれば、かなり便利で損はしない機材となっています。とはいえ、安くはないですよね。。。
直販で学割はありますが送料を考えると秋月電子さんで購入したのと大差ないです。ただし、FPGAボードとセットで買うと200ドルオフのキャンペーン中ですのでArty A7などのFPGA評価ボードと一緒に購入すると直販の方が安くなります。
Analog Discovery Pro ADP3250
・Analog Discovery Pro ADP3250(秋月電子)
Analog Discovery 2の上位機種です。学生向けから少しスペックアップして、業務や研究にも使えるスペックになっています。アナログが4チャンネルになったADP3450もありますが一気に値段があがります。
Analog Devices
Analog Discovery 2の内部チップはAnalog Devicesで作っているようでして、Analog DevicesでもAnalog Discovery 2的な機材が発売されています。
ADALM2000
・ADALM2000(秋月電子)
んー、ハードウエアの性能はAnalog Discovery 2とほぼ変わらないのですが、ソフトウエアが残念です。値段的にはかなり魅力的なのですが、あのアプリだとちょっとつらいかもしれません。せめてPulseViewが使えたら良かったのですが。。。
Saleae(サレア) LLC社
ロジックアナライザーの老舗になります。特徴としてはロジックアナライザー重視なのですが、アナログも同時に測定が可能です。ツール的にはロジックアナライザーの信号をアナログで確かめる的な用途になります。
Logic 8
・Logic 8(秋月電子)
日本では秋月電子が正規代理店のため、Amazonでは高いです。アナログをたまに見て、基本はデジタル回路って人には非常に使いやすいツールになっています。
ここの特徴として学生とホビーユース、スタートアップには割引をしています。条件とモデルによりますが結構安くなりますので直販も検討してみてください。
PicoScope社
USB接続のオシロスコープの老舗です。個人向けではなく、業務向けモデルばかりなのですがエントリーモデルは10万円以下もありますので紹介したいと思います。
PicoScope 2205A MSO
・PicoScope 2205A MSO(秋月電子)
MSOとついているモデルはデジタル入力も可能です。MSOでは一番下の25MHzモデルになりますがソフトウエアは全モデル共通なので、最上位と同じものが利用可能です。とはいえ、ちょっとスペック的にはものたりないエントリーモデルになります。
PicoScope 2206B MSO
秋月電子さんでは取り扱いがない50MHzモデルですが、下から2番目のMSOになります。このランクからスペック的にも通常のオシロスコープと変わらないメモリ長などになります。
・PicoScope 2208A MSO(秋月電子)
秋月電子さんだとさらに上の100MHzモデルを取り扱っています。
まとめ
| 項目 | Analog Discovery 2 | Analog Discovery Pro ADP3250 | ADALM2000 | Logic 8 | PicoScope 2205A MSO | PicoScope 2206B MSO |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 秋月 or Amazon 価格 | ¥45,000 | ¥86,600 | ¥19,700 | ¥48,500 | ¥44,820 | ¥66,556 |
| 通常価格 | $399 | ー | $200 | $479 | $539 | $719 |
| 学割価格 | $279 | ー | ー | $239 | ー | ー |
| アナログch | 2 ch | 2 ch | 2 ch | 8 ch | 2 ch | 2 ch |
| アナログ帯域 | 30 MHz | 55 MHz | 25 MHz | 1 MHz | 25 MHz | 50 MHz |
| アナログサンプリング | 100 MS/s | 100 MS/s | 100 MS/s | 10 MS/s | 500 MS/s | 1 GS/s |
| デジタルch | 16 ch | 16 ch | 16 ch | 8 ch | 16 ch | 16 ch |
| デジタルサンプリング | 100 MS/s | 125 MS/s | 100 MS/s | 100 MS/s | 100 MS/s | 100 MS/s |
| パターンジェネレーター | 16 ch | 16 ch | 16 ch | ー | 1 ch | 1 ch |
| 電圧計 | 2 ch | 2 ch | 2 ch | ー | ー | ー |
| 電源 | 2 ch 0.5 V ~ 5 V -0.5 V ~ -5 V | 2 ch 1.2V〜3.3V | 2 ch 0 V ~ 5 V -0 V ~ -5 V | ー | ー | ー |
アナログとデジタルをまんべんなく使う場合にはAnalog Discovery 2、デジタル中心ではLogic 8、アナログ中心ではPicoScope 2206B MSOが個人的にはオススメです。
今回10万円以下の機材ですので、デジタル中心であれば本当はもう少し上位機種か普通のロジックアナライザーがいいはずです。そして入門向けであればもっと安い機材もあります。
万能ツールではなくて、オシロスコープやロジックアナライザーなどの方が高性能なのですが場所を取るのと、実際のところ多くの場合I2Cの信号を調べたりするのでそれほど高価な機材は必要ないことが多いです。。。
のちほどオシロスコープも調査していますので、合わせて参考にしてみてください。


































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