概要
EasyEDAはLCSCで販売している部品のデータはかんたんにシンボルやフットプリントを利用することができます。KiCadには無い部品がEasyEDAにはたくさんあるのですが、逆にLCSCに販売していない部品についてはEasyEDAにはないことがあります。そこでKiCadのシンボルとフットプリントをEasyEDAで利用してみたいと思います。
対象物
上記の製品の12ピン版となります。

データシートです。よくある表面実装のピンソケットです。ただLCSCだと2ピンから10ピンまでしかありません。一般的に12ピンの場合には2x6を使う事が多いみたいで1x12はLCSCでは販売していません。

製品自体は販売されているのですが、高くなるので表面実装でない普通のを使うことがおおいと思います。
LCSCで検索
まずLCSCで検索します。なるべく条件を絞らずに検索をしていって商品を探します。今回は調査済みで商品がありませんでした。
EasyEDAで検索
LCSCで商品がない場合にもEasyEDAで登録されている場合があります。

下に隠れているライブラリ部分を表示させ、検索しやすいように「Popup Windows」で別のウインドウを開きます。

この画面で部品の検索を行います。

まずは「1×12」で絞り込みます。複数キーワードを入力するとor検索になり絞り込みができないので、ブラウザで「SMD」を検索してさらに擬似的に絞り込んでいます。

ピンヘッダですが、フットプリント的には利用できそうですね。ただなぜシンボルを2列にしたのだろう?

KH_1x12P_2.54mmは横向きの部品ですね。今回とはちょっと違いました。

一番左をSystemからPublicに切り替えてみます。Systemはある程度整理されたものがあるのですが、Publicの方は個人の人が作ったものが含まれているので混沌としています。こちらには使えそうなものがありましたが、残念ながらピッチがこの図を見た限りわかりません。2.54mmピッチだと嬉しいですが2.0mmピッチのものがあるので安心して使うことができない状態です。
KiCadを検索

新規のプロジェクトを作成します。名前はなんでも大丈夫です。

まずはシンボルを指定します。汎用的な12ピンのソケットで大丈夫のはずです。

フットプリントを割り当てます。左からピンソケットのピッチ2.54mmを選び、上の検索で1×12で絞り込むと4つ出てきました。

Horizontalは横向きスルーホールですね。

Verticalは普通のスルーホール。

SMDのLeftは縦においたときに一番上の1ピンが左にでているタイプです。

SMDのRightは右に出ているタイプです。
左に出るタイプ | 右に出るタイプ |
---|---|
A型 | B型 |
TYPE 1 | TYPE 2 |
正脚位 | 反脚位 |
いろいろな呼び方があるようですが、上記のような感じのがありました。どっちを使ってもいいのですが、在庫などを考えるとどっちかにまとめたほうがよさそうです。今回は右にでるタイプにしたいと思いますが、左に出るタイプの方が標準っぽい?

回路図にはEasyEDAに持っていきたい部品のみ配置します。複数あっても大丈夫です。

とりあえず、左右の2パターンを配置しました。
これで準備が終わりましたので、インポートできるようにプロジェクトのアーカイブをしてZIPファイルにまとめます。
EasyEDAでインポート

EasyEDAでKiCadのインポート機能があるので選択します。

警告が表示されます。ZIPファイルで固めたものをインポートしろと書いてあります。
リンクは上記ページでした。

先程のZIPファイルを選択します。上記の画面はすべてデフォルトでImportで大丈夫です。

プロジェクトの設定画面になります。こちらもプロジェクト名がかぶっていなければそのままSaveで問題ありません。

新しいプロジェクトを開くかと聞かれるので新しいウインドウか、今のウインドウで開きます。

回路図です。

フットプリントです。なにやら文字が大量にかぶっていますが読み込めているのがわかります。さてこのままだとこのシンボルとフットプリントはこのプロジェクトの中でしか使えません。そこで他のプロジェクトでも使えるようにする必要があります。

下のライブラリタブを開き、左側をプロジェクトにすると3つのデータがあるのがわかります。右と左と一番下がKiCadの枠になります。

この状態で右クリックから「Save as…」を選択します。

そうするとProjectからPersonalに保存することができます。デフォルトはシンボル名なので「Connector_Conn_01x12_Socket_SMD_Right」と「Connector_Conn_01x12_Socket_SMD_Left」で保存します。

この操作でPersonalに移動しましたので、他のプロジェクトからも利用できるようになりました。もうKiCadのプロジェクトは不要なのでEasyEDAから削除しても大丈夫です。

適当なプロジェクトで今回追加したのと、さっき検索したのを使ってみたいと思います。シンボルはJがめり込んでいますがKiCadの方が使いやすそうです。ただLeftとRightの区別がつかないですね。

右クリックから「Edit Device」を選択して表示されたデバイスのNameを修正してあげることでシンボル名も変更されます。デバイスを追加したときに名前を変更したときにはNameも同じ名前に変更するほうがよさそうです。

フットプリントです。どれも使えそうですね。ただKiCadのフットプリントは横幅が狭いのがきになります。

ちょっと使おうと思っている部品のデータシートで確認します。ピンの横幅は4.5mmで、フットプリントの推奨は5.2mmです。

粗い計測ですが5.2mmはありましたので大丈夫そうです。一番最初に貼ったデータシートは推奨が6mmでした。それより広いのはたぶん手ではんだするようのフットプリントかな?
KiCadライブラリのライセンスを確認
上記になります。利用するだけであれば自由に使ってもよく、再配布するときにはCreative Commons CC-BY-SA 4.0 Licenseになるようです。EasyEDAだけで利用している分だと問題なさそうですが、OSHWLabなどに公開するとKiCadのライブラリを利用している表記しないといけません。
まとめ
やっぱり汎用的な部品はKiCadの品質が高いです。今回のようなあまり一般的じゃないけれど汎用部品はKiCadライブラリを使わせてもらうのはありかもしれません。

あとは上記のようなソルダージャンパーです。基板上だけの部品ですのでどうしてもLCSCには取り扱いがなく、EasyEDAにもきれいなフットプリントがありません。Publicライブラリを使うのであればKiCadライブラリのほうがおすすめです。
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