概要
M5Stack社などからPoE関連のデバイスがそこそこ出ていまして、結構持ってはいるのですがPoEスイッチがなかったので未検証でした。今回購入してみたので紹介したいと思います。
PoEスイッチ
購入したのは上記の製品です。個人向けだとネットギアかTP-LINKのものが一般的だと思います。PoEとはPower over Ethernetの略でLANケーブルで通信と電源の両方を通すためのものです。PoEスイッチを使うことでLANケーブルに通信と電源を両方のせることができます。
こんな感じで届きました。4ポートがPoE対応で1ポートは上位スイッチにつなぐ普通のLANポートです。
中身は本体とACアダプタ、足とか固定用のネジとかでした。この他の紙が何枚か入っていました。
本体の裏側です。
付属のACアダプタです。もちろんPSE対応で54Vの1.25Aになります。PoEは電圧が高いのでなかなかこんな高電圧のアダプタは少ないと思います。
PoEスイッチ以外の選択肢 PoEインジェクタ
PoEスイッチのかわりとして、PoEインジェクタがあります。これは既存のLANケーブルに電源だけを付与する装置になります。ちゃんとしたメーカーの機材を買うとPoEスイッチと同じぐらいの価格のためあまり使うメリットはありません。
安いインジェクタもありますが、PSEがなかったりといろいろ問題がでてきます。ACアダプタだけでも千円以上するはずなので、あまり安いものはおすすめしません。
PoEデバイス
もともとPoEは監視カメラなどのまわりに電源などがない場所に、LANケーブルを敷設して一緒に電源も送る用途で使われています。そのためマイコンなどでもカメラやIoT向けのエッジハブ的なもので採用されている場合が多いです。
とはいえ、近年は無線LANにして電源だけひっぱるパターンの方が楽な場所も多い気がします。
ただM5Stackの最新LANモジュールではPoE対応をやめました。これはここ数年PoEの部品が非常に高騰しているからだと思われます。商品の中でPoE対応をするより、のちほど紹介する外付け汎用品のPoEスプリッタを使ったほうが安くなるケースが多いようです。
たとえばわかりやすいものだと上記のLILYGOさんのT-ETH-Liteは通常のが2,826円で、PoE付きが4,712円で差額は1,886円です。
M5Stackで販売しているPoEスプリッタは$4.95です。無理にPoE対応するよりは12V入力に対応する方がシンプルで安くなりそうです。
PoEスプリッタ
インジェクタがLANに電源を入れる装置で、逆側のPoEからLANと電源を分離する装置がスプリッタです。上記はLANと5VのType-Cに分離しています。PoEは本来もうすこし高電圧になりますのでスプリッタの中で降圧して5Vを作り出しているはずです。
もうひとつ購入してみました。最近の機材はType-Cにしているのですが4より前のRaspberry PiはマイクロUSBだったためです。
並べてみました。上がマイクロUSBので定格は5V/2A。下がType-Cので5V/2.4Aでした。
ちなみにルータなどで利用するように9Vや12VのDCジャックになっているスプリッタなどもあります。
電子負荷を使って検証です。Type-Cのものは2.4A流せましたが4.76Vまで電圧低下を起こしていました。途中の変換ケーブルやテスターなどがあるので若干条件は悪いですが2.4Aまで使うのはやめたほうが良さそうですね。
1.5Aぐらいであれば4.98Vと問題なさそうな電圧でした。
マイクロUSBのです。こちらは1.8Aを超えると電源が落ちました。負荷を下げると復帰します。ただ少ししたら2A流れるようになりました。すこし温まらないとだめ?
このようにPoEは電源だけ取り出して使うこともできます。オフィスだとIP電話とかはPoE給電にして、LANケーブル一本で接続終わるものが多いかもしれません。
まとめ
PoEは個人で必要かと言われると微妙です。電源がない場所にカメラを設置する場合には便利だと思いますが、電源とLANケーブルどっちが設置しやすいかって問題ですよね。
あとは電源系は定格まで使えないのに注意してください。今回のも6割ぐらいで使うとして1Aから1.5Aぐらいが限界だと思った方がよいと思います。ただPoEスプリッタはあまり安心しておすすめられる製品がありません。
メーカー品で安定して入手できそうなのだとTP-LINKのこれぐらいかな?
安いものはfs.comなどのネットワーク専門会社の製品はある程度使われている可能性はあります。あとはDSLRKITなどのRaspberry Pi関係周辺機器メーカーのものが比較的メジャーだと思われます。
とはいえ、全般的に電源周りなので個人利用でPoEはあまりおすすめしません。。。
コメント
ESP32 に適した LDO を検討していて、たまたま貴殿の BLOG を知りました。
(始めに)古い記事へのコメントでごめんなさい。
PoE 対応の IP 電話機やカメラを複数使っているので、安いwifiコンバータやマイコンなどもPoEスイッチの電源でまかなおうと数年前に試みていました。
PoE のスプリッタですが、5 V 出力の安価なものは不安定だったり壊れやすかったりするようです。 多分、写真に出ているマイクロ USB 出力のものと同様のものを何度か購入しましたが、いずれも不安定だったり、効率が悪かったり、連続使用数ヶ月で壊れたりでした。まともなものは、自宅で趣味・遊びで使うには高価で、試していません
おそらくスイッチング周波数が低いと、48 V から 5 V への変換はデューティ比が小さいので難しいのだろうと想像しています。同様の価格帯の 12 V 出力の製品はまだマシなことも理由の一つです。
安価な 5 V 出力の製品で、良いものがあったら教えていただきたいな、と思いました。
TP-LINKのものがDC出力ですがまだマシなのかな?
AdafruitとかWaveshareとかのRaspberryPi向けが比較的安定してそうですが、国内だとあまり入手性よくないですよね
お返事ありがとうございます。
同じものかどうかわからないですが、 TP-LINK のものもあまり安定でなかった記憶があります。500 mA 位しか流していないんですが、この手の Amazon や Aliexpress で安価に買えるものは温度によって動作が変わったり 7/24 連続で使うと数ヶ月で壊れるものが多かったです。
Adafruit のものはマルツで買えるみたいですね。今度試してみます。