概要
M5Stack製品を利用したセンサーなどを開発しているのるLABさんから同人技術書が発売されましたので購入してみました。
脈を観る
上記で購入できます。心拍や脈拍などの脈になります。末端で計測するので心臓が弱っていたり、血管が圧迫されていると脈が届かないことがあるので心拍とは呼ばず、脈と呼んでいるのだと思います。
脈については医学書などには説明があると思うのですが、手軽に読める資料は非常に少ないです。ネット上の情報などもかなり限定的であるのと、電子工作などで入手できるセンサーなども使い方が難しいものばかりです。
この手のセンサーは医療機器と非医療機器(ヘルスケア)があり、本書は非医療機器の使い方になります。
このへんは結構難しくて、上記の「プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン」などを参考にするのがよさそうです。薬機法により医療機器に該当する場合には一気に敷居が高くなります。
本文で少しだけ触れられていますがSpO2(血中酸素飽和度)はグレーゾーンの機能で、M5Stackの本を書いたときに上記ユニットを紹介していますがSpO2については触れていません。あとこのセンサーも指などを使うので心拍は取れません。
上記の「血中酸素飽和度を測定する機械器具の取扱いについて」をみるかぎりトレーニングなどに利用する場合には非医療機器ですが、健康チェックに使うと医療機器でNGみたいです。実際のところ医療機器グレード以外だと動きながら正確にSpO2は計測するのは難しい気がしますし、数値が下がるほど運動するのは低酸素トレーニングみたいな特殊な設備が必要な気がします。
話がかなり脱線しましたが、この本はトレーニングや実験等で脈拍などの生体データを計測したい場合に最初に読むのにおすすめです。特に心理学系や教育系の学部や大学院生などが生体データを実験に利用したい場合にまずは読んでみるのがおすすめです。
筋電図を観る
上記の本ですが脈よりも筋電図はかなり強敵です。まずは脈の本をみてから筋電図の本を読むことをおすすめします。そして中盤は難しいので読み飛ばしても良いと思います。
似たセンサーとして昔の嘘発見器に使われていたGSRセンサーなどがあります。汗の量などによって値が変わるセンサーになります。かなり扱いが難しいのと、古くからあるわりに有効性が高い利用用途があまり見つかっていません。
筋電図は筋肉の動きを計測するセンサーで、リハビリとかでの利用が期待できます。たとえば理学療法士は医療系なのですが、医療機器をがんがん利用してのリハビリはたぶん保険利用だとできないはずです。通常この手のセンサーはビリビリマシーンなどのEMSで利用されるような湿布みたいなパッドを利用することが多いのですが、使い捨てに近いのでかなりランニングコストが高いです。
本書では最初に全般的な情報提供と、金属を利用したドライタイプの筋電図を利用した場合の開発事例やノウハウが書いてあります。
ちなみに筋電図もかなり難易度が高いですが、脳波と心電図はさらに難易度が高いです。生体センサーはとりあえずはそれっぽいデータは取れるかもしれませんが、この手の本で本物の波形を確認しないと全然関係ないデータを誤認している場合もあるのでご注意ください。
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