通すことは無いだろうが、気になったので調べてみました。
技適とは?
日本国内で通信をする場合、技適と呼ばれているものが必要になります。正式には「技術基準適合証明」もしくは「工事設計認証」です。
技術基準適合証明とは
無線機材ごとに書面と試験を行い、日本の法律に適合していることを証明する仕組みです。実際には全数チェックではなく、ランダムで抜き出した機材を検査して、全数が合格する必要があります。
主に小ロットの製品の場合に使われる証明です。
工事設計認証とは
大量生産した無線機材に対して、一括して認証をする仕組みです。一定した品質で製造されていると仮定して、任意の1台に対して書面と試験を行います。
費用
TELECのサイトに詳細がありましたので、その数字にて計算していきます。
ターゲット機材として、一番安い特定小電力機器のその他を選びました。アンテナ一体型だと暗室利用が必要で10万円追加でかかりますが、外付けアンテナの機材とします。
技術基準適合証明の場合
基本料
初回は2万円、同じ製品を同じ条件で再申請する場合には1.3万円。
検査費用
抜き取り検査のため、申込台数によって検査台数が変わります。
上記によると
申し込み台数 | 抜取台数 |
1〜2 | 全数 |
3〜15 | 2 |
16〜25 | 2 |
26〜50 | 3 |
51〜90 | 5 |
91〜150 | 8 |
151〜280 | 13 |
281〜500 | 20 |
となっていました。
1台目は2.4万円で、2台目以降は1.6万円です。
試算表
申込台数 | 検査台数 | 基本料 | 1台目費用 | 以降費用 | 合計費用 | 1台あたり |
1 | 1 | 20,000 | 24,000 | 16,000 | 44,000 | 44,000 |
2 | 2 | 20,000 | 24,000 | 16,000 | 60,000 | 30,000 |
10 | 2 | 20,000 | 24,000 | 16,000 | 60,000 | 6,000 |
25 | 2 | 20,000 | 24,000 | 16,000 | 60,000 | 2,400 |
26 | 3 | 20,000 | 24,000 | 16,000 | 76,000 | 2,923 |
50 | 3 | 20,000 | 24,000 | 16,000 | 76,000 | 1,520 |
51 | 5 | 20,000 | 24,000 | 16,000 | 108,000 | 2,118 |
90 | 5 | 20,000 | 24,000 | 16,000 | 108,000 | 1,200 |
91 | 8 | 20,000 | 24,000 | 16,000 | 156,000 | 1,714 |
100 | 8 | 20,000 | 24,000 | 16,000 | 156,000 | 1,560 |
150 | 8 | 20,000 | 24,000 | 16,000 | 156,000 | 1,040 |
151 | 13 | 20,000 | 24,000 | 16,000 | 236,000 | 1,563 |
200 | 13 | 20,000 | 24,000 | 16,000 | 236,000 | 1,180 |
280 | 13 | 20,000 | 24,000 | 16,000 | 236,000 | 843 |
281 | 20 | 20,000 | 24,000 | 16,000 | 348,000 | 1,238 |
500 | 20 | 20,000 | 24,000 | 16,000 | 348,000 | 696 |
抜き取り台数が増える直前の25台、50台、90台、150台、280台あたりで頼むのが単価が安くなりますね。
工事設計認証の場合
基本料
30万円。ISO9001認定を受けていない工場だと6万円加算。
検査費用
9万円。
合計費用
39万円
技術基準適合証明と工事設計認証の使い分け
500台に対して技術基準適合証明を取得した場合が約35万円なので、500台以上売れる見込みのないものは技術基準適合証明の方が適していそう。
ただし、技術基準適合証明は、試験用の改造が必要になった場合には全数に対して行う必要がある。改造に手間がかかるのであれば、工事設計認証で試験端末だけ改造をしたほうが安くなる場合もあると思います。
この他の費用
申請で必要な資料作成費用
アンテナなどの特性データが必要なので、製造元から提供されないと検査機関に持ち込んで計測する必要があります。
申請代行費用
自分で申請しない場合には、申請代行を使うと思いますのでその費用がかかります。
最後に
今回の計算は1周波数帯だけの試験なので安いですが、パソコンなどの場合Wi-fi(2.4G, 5G)とBluetoothで3周波数帯になるので、その分高くなると思います。
技適データベースを見ていて、工事設計認証じゃなくて技術基準適合証明だと、あまり数が出ない想定なんだなって思うのと、販売数が申請内容からバレちゃうってのもやだなって思いました。
また、海外の製品だと技適マークがついているけれど、番号が書いてないモジュールとかが販売されていて、技適データベースで調べると日本で正規販売しているものだけ個別で技術基準適合証明を取得している場合があったりして、間違って買ってしまいそうになりました。
コメント
現在中国で大型ドローンを製作しております。技適など依頼させて頂きたく思っています。
私は技適申請したことないので、以下のサイトなどが役に立たないでしょうか?
https://www.macnica.co.jp/business/semiconductor/articles/texas_instruments/127181/
代行取得業者などもあると思います。
あとはFCCなどを取得してから、相互承認などで技適も同時に取得する方法などもあるようです
https://lang-ship.com/giteki/
似た製品などを上記の技適検索で調べると、どこの認証局で取得しているのかがわかると思います。