ESP32-S3開発ボード紹介

概要

ESP32-S3を搭載している開発ボードが増えてきましたが、ちょっとクセがあるものが多いので選び方を紹介したいと思います。

一覧

メーカーボード名価格
(円)
FlashPSRAM画面USB-SerialUSB-OTGOTG電源出力
EspressifESP32-S3-BOX-Lite6,18016MB8MB2.4インチ
EspressifESP32-S3-DevKitC-1-N81,8408MB
(micro)

(micro)
M5StackATOMS32,3768MB0.8インチ
M5StackATOMS3 Lite1,3868MB
M5StackM5Stamp S31,1228MB
スイッチサイエンスESPr® Developer S3 Type-C (USBシリアル変換ICなし)2,64016MB8MB
スイッチサイエンスESPr® Developer S3 Type-C3,74016MB8MB
SuntonESP32-1732S0191,60316MB8MB1.9インチ
FreenoveESP32-S3-WROOM CAM FNK00852,04516MB8MB

あとで説明をしますが、最初に一覧を表示します。Suntonは画面サイズ別に似たようなボードがありますが1.9インチのみ表示しています。

1.9インチ以外は上記に情報があります。

あとESP32-S3には技適を取得しているモジュールがありますが、生産時期によってマークがないものが混じっています。海外から直接購入すると在庫の古い技適マークなしモジュールの製品が届くことがあるので注意してください。

そのほかにもモジュールを利用していないボードも海外にはいろいろあるので、技適マークを確認してからの購入をおすすめします。Freenoveは今のところ技適マーク付きしか見たことがないですが、Suntonは一部技適無しモジュールの製品が混じっているようです。時間が経過することで在庫が入れ替わって技適マーク付きモジュールが出回ってきますが注意してください。

用途別

画面が欲しい

メーカーボード名価格FlashPSRAM画面USB-SerialUSB-OTGOTG電源出力
EspressifESP32-S3-BOX-Lite6,18016MB8MB2.4インチ
M5StackATOMS32,3768MB0.8インチ
SuntonESP32-1732S0191,60316MB8MB1.9インチ

画面搭載ボードはまだ少ないです、M5Stack CoreにS3が搭載されてくるはずですので選択肢が増えると思います。

https://www.aliexpress.com/item/1005004496543314.html

LILYGO® T-Display-S3も技適を取得したので、今後日本で発売される可能性があります。まだ技適マーク付くをみたことがありませんので、リストには追加していません。

ESP32-S3-BOX-Liteは公式から出ているPSRAM搭載機としてはよいのですが、価格的に高いのであまりおすすめはしません。現時点では日本で手に入るATOMS3か、AliExpressでのみ販売している黄色基板になります。コスパ的には黄色基板は抜群ですが、AliExpressのみでの販売なのと届くまで結構時間がかかるのがネックになります。

PSRAMが欲しい

メーカーボード名価格FlashPSRAM画面USB-SerialUSB-OTGOTG電源出力
EspressifESP32-S3-BOX-Lite6,18016MB8MB2.4インチ
スイッチサイエンスESPr® Developer S3 Type-C (USBシリアル変換ICなし)2,64016MB8MB
スイッチサイエンスESPr® Developer S3 Type-C3,74016MB8MB
SuntonESP32-1732S0191,60316MB8MB1.9インチ
FreenoveESP32-S3-WROOM CAM FNK00852,04516MB8MB

なんとEspressifの公式DevKitがリストにありません。製品的にはあるのですが、日本で販売していないので技適的にグレーです。比較的新しい製造モジュールは技適マークが入っているはずですが、技適マークがついていない世代のモジュールがついてくる可能性があります。

SuntonとFreenoveはかなり安いのですが、AliExpressでの販売となりますので注意してください。時間が待てるのであればおすすめのボードとなります。

また、製品的に2MBと8MBのPSRAMがあり、接続方法が違うので利用時のオプション選択が変わるはずです。S3のPSRAMは有効化の方法が搭載メモリ量で変わるので注意しましょう。

カメラが欲しい

メーカーボード名価格FlashPSRAM画面USB-SerialUSB-OTGOTG電源出力
FreenoveESP32-S3-WROOM CAM FNK00852,04516MB8MB

今後増えてくるはずですが、現状はFreenoveの1種類しかありません。製品的にはLILYGO® T-Camera S3がモジュールを搭載しているので、技適マーク付きの可能性がありますが在庫次第なので確実ではありません。

USBホスト開発をしたい

メーカーボード名価格
(円)
FlashPSRAM画面USB-SerialUSB-OTGOTG電源出力
EspressifESP32-S3-BOX-Lite6,18016MB8MB2.4インチ
EspressifESP32-S3-DevKitC-1-N81,8408MB
(micro)

(micro)
M5StackATOMS32,3768MB0.8インチ
M5StackATOMS3 Lite1,3868MB
M5StackM5Stamp S31,1228MB
スイッチサイエンスESPr® Developer S3 Type-C (USBシリアル変換ICなし)2,64016MB8MB
スイッチサイエンスESPr® Developer S3 Type-C3,74016MB8MB
SuntonESP32-1732S0191,60316MB8MB1.9インチ
FreenoveESP32-S3-WROOM CAM FNK00852,04516MB8MB

がんばればどの開発ボードでも利用できるはずです。ただし結構使いにくいボードがあるので注意してください。

USBコネクタは2つ搭載していたほうが楽

書き込みで利用するUSBシリアルと、USBホストに利用するUSBポートは別のほうが圧倒的に使いやすいです。ただしUSBコネクタを2つ搭載しているボードはESP32-S3-DevKitC-1-N8とESP32-S3-WROOM CAM FNK0085しかありません。そしてDevKitの方がmicro USB端子なので使いにくいです。

ATOMS3などOTGしかない場合には、書き込みとUSBホストが同じポートを使い分けることになります。そのため書き込んでから、USBをキーボードなどに繋ぎ変える必要があり結構面倒です。

M5Stamp S3など、外部にUSBシリアル書き込み機を接続することで分離することが可能です。ただし、純正書き込み機は3.3Vしか電源がないので別途5Vを供給する必要があります。

OTG電源出力がないと自前で結線する必要あり

ESP32-S3のUSBは、自身がUSBマウスなどになるUSBデバイスと、外部のUSBキーボードを利用するUSBホストの機能があります。USBホストでは外部のUSBキーボードに電源を供給する必要がありますが、USBデバイスとしてPCとして接続する場合には電源を入力する方向になります。

そのため、保守的な設計をした場合にはUSBホスト用の電源出力を行わない場合が多いです。これはUSBシリアルからの電源入力と、USBデバイスとしてPCに接続した電源入力がバッティングするためです。この2つのポートは別のPCに接続することが可能であり、USB電源の電圧差があると逆流をする危険があります。

純正DevKitの場合にはUSBホストとして利用した場合、電源出力がありませんのでボードにあるUSBポートではなくて、ピンから自前で結線をしてあげる必要があります。

もしくは、外部給電が可能なOTGケーブルを利用して5V電源を供給する必要があります。ちなみにDevKitはmicro USB端子なので非常に使いにくいです。

現状は上記のように自作基板をつくってUSBコネクタを配置してしまいました。これは使いやすいのですが、DevKit自体の価格と自作基板の手間があるのでおすすめはしません。

現状USBホスト開発機としてはFreenoveが一番使いやすいです。ただし、コネクタの幅が狭いので通常のOTG変換が利用できません。

UGREEN USB C 変換アダプター OTG Type-C Thunderbolt USB3.0 タイプC 変換 5Gbps 高速データ転送 ストラップ付き MacBook, iPad Pro, Xperia XZ その他 USB-C 端末用 2個セット
UGREEN
¥990(2023/11/28 15:27時点)
ストラップが便利:コンパクトで持ち運びやすさを追求されたUSB-C変換アダプタです。キーチェーン付いて紛失を防ぎ、持ち運びにも便利です。また、スペースグレイのアルミニウム素材を採用して、おしゃれで高級感と優れた耐久性が両立されています。

他の基板だと上記のようなOTG変換アダプタを利用してType-Cから通常コネクタに変換しています。この変換コネクタはダイソーなどの百円ショップでも入手可能です。

YFFSFDC USB type C 延長ケーブル USB 3.1 Gen2(10Gbps) 高速データ転送 5A PD急速充電 アンドロイド ラップトップ iPad Pro MacBook Pro Switch Surface など様々なusb-cデバイスに対応 (1M)
YFFSFDC
¥765(2023/11/28 18:07時点)
【Type C 延長ケーブル】:USB C延長ケーブルは、最大100WのPower Deliveryに対応しており、デバイスへの最速充電を実現します。データ転送速度は最大10Gbpsで、HDビデオのようなかさばるファイルの転送が可能です。

上記のような延長ケーブルと組み合わせることでも大丈夫ですが、結構な値段がします。一応百円ショップでも取り扱いがあるようですが、私の近くの店舗では見つかりませんでした。

Amazonベーシック USB変換アダプター Type-C 3.1 Gen1(メス) ブラック 14cm
Amazonベーシック(Amazon Basics)
¥756(2023/11/29 08:00時点)
USB Type-A対応デバイスや周辺機器(フラッシュドライブ、キーボード、マウスなど)をUSB Type-C対応デバイスに接続するためのケーブル。 ※USB Type-Aケーブルは付属していません。

一般的には上記のような延長タイプのケーブルが必要になります。

USB Type C & USB 変換アダプタ L型 (5個セット) Suptopwxm USB-C & USB 3.1 10Gbps高速データ転送 OTG対応 MacBook, iPad Pro, Sony Xperia XZ/XZ2, Samsung などタイプc多機種対応
Suptopwxm
¥999(2023/11/28 18:07時点)
【USB-C & USB 3.1 L型 アダプター】人間工学に基づいたL型90度直角設計で、スペースを確保するだけでなく、ケーブルの挿入を容易にし、ケーブルの曲がりや断線を効果的に防ぎ、配置に便利です。USBポートの寿命を効果的に延ばします。

もしくは上記のようなL型コネクタがあると便利です。

まとめ

FreenoveのESP32-S3-WROOM CAM FNK0085が使いやすいと思っていますが、Amazonでまだ販売されていません。もう少ししたら販売されると思いますので期待して待っています。

M5Stack CoreのS3がでると状況が変わってくると思いますが、現状はまだ選択肢が少なく圧倒的に普及しているボードがありません。個人的にUSBホスト開発が好きなので、そうするとUSBが2つあるFreenoveか、自作基板と組み合わせた黄色基板あたりを買いまししたいと思っています。

開発完了したものを動かすものとしてはATOMS3 Liteがコスパ的に適していそうです。

コメント