ESP32などに最適なLDOを探す旅 その5 予備実験

概要

前回までに実装を完了しましたので、自動テストの環境を準備していきたいと思います。

予備実験概要

  • LDOに与える入力電源電圧と、出力の電圧の関係を負荷を変更しながら測定をする
  • 実験はWindows環境下のPythonにて自動テストするものとする
  • 入力電圧は3Vから0.1V単位で5Vまで変更させる
  • 負荷電流は0Aから0.1A単位で最大1Aまで変更させる(ただしLDOの定格までとする)

予備実験の環境

電源 PPK2

電源電圧はPPK2で制御することにしました。5Vで1Aまでであれば電圧設定と、流れている電流を取得可能です。比較的安定しているのでマイコン系の実験であれば十分な気がします。

電子負荷 XY-FZ25(1号機)

こちらもPythonで制御できる電子負荷です。しかしながら電圧部分が電圧低下したあとの値が取得されます。なのでLDOの出力電圧よりかなり低い値になっていました。また、ここの電圧低下して1.5Vを下回ったところで電子負荷としてエラーになってしまいます。

バッテリーテスター系の電子負荷なので、電圧低下しすぎると自動でオフになる仕組みみたいですがこの手の実験だと使いにくいですね。

電圧計 XY-FZ25(2号機)

もう一台予備で購入してあったので、LDOの出力電圧を取得するために負荷0設定で設置しています。AliExpressで2千円以下で購入できる電圧計としてはお手軽な気がします。

取得結果

数値が安定していません。電圧測定部分をもう少し改良する必要がありそうです。グラフの見方としては縦軸がLDOで出力された電圧で、横軸が入力電圧です。

ESP32は3V以上必要ですので、赤いラインの3.2Vから3.75Vの入力が必要になります。

データシートを見ると1A時に通常450mA、最悪でも750mVの電圧低下があるとあります。3Vほしいときに3.75V必要なのでデータシートぎりぎりの値でした。

ただ今回は3.3V出力のLDOに3V出力時の結果を測定していることと、配線がジャンパワイヤであること、そしてキャパシタをLDOの前後につけていませんので本来の実力を発揮できていないと思います。

更に検証。。。

数値がブレブレだったので更に検証したところ、思っていた機材の動きと違っていて正しい数値が取れていませんでした。

XY-FZ25はstartコマンドを投げると定期的にレポートをUARTで送信してくるタイプの機材になります。ライブラリの中をみたところ要求するまで読み込んでいませんでした。

そのため、電圧が安定するまでsleepした場合にシリアルの受信バッファに古いデータがたまり、そのデータを受信していました。そのため画面に出ている電圧より低い電圧を取得しているので気がつくことができました。

self.ser.reset_input_buffer()

今回はライブラリに手を入れて、コマンドを投げる前や取得する前に受信バッファをクリアして、次回のレポートデータを取得するように改造してみました。

結果こちらのグラフになりました。少しだけ数値が落ちている場所がありますが、それ以外はきれいなデータになりましたね。

あとは負荷によって出力電圧が変わってしまうので、ぴったり3.3Vにはやっぱりならないのかな?

3.2Vを基準にすると赤いラインで3.3Vから3.77Vぐらいひつような感じでした。この場合は3.77-3.2で0.57Vの電圧低下になります。

データシートに近い数値になりました!

まとめ

なんとかグラフっぽいものが取得できるようになりました。ただこのグラフを取得するのに20分弱かかっています。電流が多いところで長く計測していると温度とかも上がってしまうのでちょっと微妙なんですがとりあえずはこの環境でLDO別のデータを取ってみたいと思います。

ただ、自動計測をしているとどんどん機材が欲しくなってきてしまいます。。。実は1台ベンチ型のふるーい中古マルチメーターを購入しているのですが、自動連携とかの設定が大変そうなので放置中です。

やっぱりUSBでそのまま繋がる機材が楽なのですが、今回ある程度の精度がでそうなのでまとまった収入が入ったら検討したいと思います。

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