概要
据え置き型のマルチメーターを触ってみたくなりましたので、中古で購入してみました。スペックの違いが気になったので、いろいろ購入しているうちに3台購入していました。
製品
上記の3台になります。2003年にADVANTESTからMBOしてADCMTに変わりましたので商品ラインナップ的には同じになります一番下にあるAD7451Aは2004年発売の機種ですのでMBOしたあとでもADVANTEST名で販売した初期のものだと思われます。
R6441A(ディスコン)
すでに販売停止しているモデルになります。世代的にも古く、精度も一番低いものになります。USB端子ではないのでパソコンに接続するのはちょっと面倒なタイプです。
7351A
ロゴもADCMTで新し目のモデルですが2005年発売開始で、現在も販売している長寿モデルになります。USBでパソコンと接続でき、性能的にも通常使う分には問題ないかなと思っています。
7451A
AD7451Aから7451Aに変更になったモデルです。おそらくADがついているものがADVANTESTモデルだと思われます。7351Aの上位モデルで細かいところがパワーアップしています。発売時期的には7451Aが先で、7351Aが廉価版となります。
スペック差
R6441A | 7351A | 7451A | 7461A | |
---|---|---|---|---|
桁数 | 4½桁 | 5½桁 | 5½桁 | 6½桁 |
最大表示 | 19999 | 199999 | 319999 | 1199999 |
測定速度(回/秒) | 80 max | 140 max | 5,000 max | 20,000 max |
可変積分 | × | × | 〇 | 〇 |
直流電圧測定 | 1 μV~1000 V | 1 μV~1000 V | 1 μV~1000 V | 100 nV~1000 V |
確度(代表値) | 0.04 %/年 | 0.011%/年 | 0.01 %/年 | 0.0035 %/年 |
直流電流測定 | 1 μA~10 A | 1 μA~10 A | 10 nA~3 A | 1 nA~3 A |
抵抗測定 | 10 mΩ~20 MΩ | 1 mΩ~200 MΩ | 100 μΩ~300 MΩ | 100 μΩ~100 MΩ |
交流電圧測定 | 10 μV~700 V | 1 μV~700 V | 1 μV~700 V | 100 nV~700 V |
周波数範囲 | 20 Hz~100 kHz | 20 Hz~100 kHz | 20 Hz~300 kHz | 20 Hz~300 kHz |
交流電流測定 | 1 μA~10 A | 1 μA~10 A | 10 nA~3 A | 1 nA~3 A |
演算機能 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
4端子抵抗測定 | × | × | 〇 | 〇 |
温度測定 | × | × | × | × |
データ・メモリ | × | 20,000 | 10,000 | 10,000 |
インタフェース | RS-232C | USB、GPIB | USB、GPIB | USB、GPIB |
税込価格 | ¥86,900 | ¥137,500 | ¥170,500 | ¥181,500 |
所有している3モデルと、さらにスペックが高い7461Aを追加した表になります。
桁数/最大表示
7451Aの一番右の1は1CHモデルで、右から2番目の5は桁数を表しています。R6441Aは4桁、7351Aと7451Aは5桁、7461Aは6桁になります。桁数だけだと7351Aと7451Aは変わりませんが、最大表示をみると199999と319999なのでちょっと違います。29Vを計測すると7351Aは200Vレンジで029.000Vと表示され、7451Aは30Vレンジで29.0000Vと小数点以下4桁を計測可能です。
測定速度(回/秒)
これはスペック通りの差がでて、上位モデルほど高速で測定可能です。スペック上では一番高速なモードになっていますが精度を上げると遅いモードを利用する必要があるのでR6441Aの場合80回/秒から10回/秒まで遅くなります。ただし、ハンディーのDMMに比べれば十分速い速度な気がします。
可変積分
時系列で変化するような電圧や電流を計測する場合に平均を計測するための機能です。5V/1AまでであればPPK2を利用するので個人的はあまり利用しない機能となります。
4端子抵抗測定
電流の精度も結構違うのですが、7451A以上のモデルは4端子抵抗測定が可能になっています。通常は2つのプローブを利用して、電流を流してみて抵抗値を測定します。このときにはプローブの抵抗値も一緒に測定してしまいます。4端子抵抗測定の場合には電流と電圧を個別に測定することでより正確に抵抗値が測定可能になります。
価格
実は定価はスペックの差ほどはなく、7451Aと7461Aではほとんど変わりません。しかしながら中古で購入する場合には圧倒的に7351Aが品数が多く、7451Aと7461Aはほとんど出回りません。そして7461Aはこのシリーズでの最上位なので割高になります。たぶん通常利用するのは7351Aぐらいのスペックがあれば問題ない事が多いのかもしれません。
2端子抵抗測定と4端子抵抗測定の差
2Wの場合
まずはプローブを短絡させて、プローブ自体の抵抗値を計測します。0.0503Ωありました。この状態でNULLボタンを押すと表示が0Ωになります。これ以降はプローブの抵抗値分を引いた数値を表示してくれるようになります。
この状態で100mΩのシャント抵抗を計測してみます。0.1024Ωなので大丈夫そうです。
4Wの場合
NULLを使わずにそのまま4本を接続して計測します。0.1024Ωです。。。あれ、2Wと4Wで同じ値ですね。このモデルの場合には2Wと4Wで抵抗値計測の精度は一緒です。ただし、測定確度は4Wの方が高いらしいです。
まとめ
3台購入するのであればシリーズ最上位の7461Aが購入できるような気がしますがそんなこと気にしてはいけません。実際のところベンチトップ型の据え置きDMMを使うほどの精度が必要な測定はそもそもすることがほとんどありません。
ただ、いろいろなDMMが揃ってきたのでDMMの選び方を今度まとめてみたいと思います。
ちなみに電源も同じようにスペック違いが3台あったりします。
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